混乱 ページ47
【Aside】
……過呼吸になった……
…こんな風になったのは、社会人になってからはじめてだった……
……遠ざかる意識の中で、ジュノが私を呼ぶ声が、聞こえた…
そして、唇の隙間から温かい息が入ってくる……
……だんだんと呼吸が落ち着いてきて、
意識がはっきりしてくる……
……ジュノの、唇が離れていく……
………はぁ。
…ボンヤリと、ジュノの焦った顔が見える……
「……ごめん。ジュノ、もう大丈夫…」
っていうと強く抱きしめられる
ジュノから、ドクドクと少し早い心臓の音が聞こえてくる…
……心配かけちゃった……
離れようとするけど、ジュノにさらに強く抱きしめられる…
「……ごめん、A。俺、お前のことウヨンに返したくなくなった……」
「え？」
「……そんなんなるくらいなら……俺のところにいろよ」
「…俺は、お前をずっと笑わせてやる…傷つけることなんて、しないし……大事にしてやれる…」
……ジュノ……
………ジュノ………
ジュノの想いに……涙が溢れてくる…
ジュノの腕の中で涙を流す……
「……ごめん。ジュノ……それでも、私はウヨンが好き……」
「…あなたに頼りすぎて、あなたを混乱させちゃって……ごめん。」
「………」
ジュノは私を強く抱きしめるだけでなにも言わない…
「…ジュノ……離してくれない？」
「……A…」
切なげに私の名前を呼ぶ…
胸が疼く……
「…ジュノ……ごめんなさい。」
ジュノの腕の力が弱まる
「……冗談だし…お前みたいな…めんどくさい女、イヤだし……」
………って、笑う…
……ジュノ……
胸が締め付けられる……
「………」
「………ジュノ」
「……呼ばないで…」
「…え？」
「……俺の名前、呼ばないで…」
って、背中を向ける
「………」
その背中に、手を伸ばしそうになるけど……
手を下ろす……
「……たぶん、もうすぐウヨンがくる…」
「…え？」
「きっと、心配して、焦ってくるよ」
「…なんか、飲んで落ち着こう」
キッチンに入っていくジュノ……
……ジュノ……
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作者名：hana | 作成日時：2018年7月9日 7時
