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「違うわよ、ほら見て！ 今日はヴァー君のためにぺたんこの靴だって履いて来たんだから」
「うるせぇ余計なお世話だ！ 弄りたいだけだろ、尚更説得力なくなったわ」
そうお道化半分に怒るヴァイスに、違うもん、とフィオナは駆け出す。
ヒールじゃない靴は、子供っぽいような普段履かない靴は、少しだけ走りやすかった。
大きく腕を降って、大股で。髪が乱れるのなんて気にせずに。その瞬間、彼女は「完璧な女」ではなかったけれど──うっかり、水溜まりを踏んでしまう。
ああ、これじゃ靴下が汚れちゃう。でも。
陽の光が飛び散った雫を、赤紫の瞳を透かして、きらきらと、単純に光る。そこにはミステリアスなんてあったものじゃない。
ふふ、と笑みを漏らしてようやく止まる。振り返ると、前より落ちたスピードで追いかけてくるヴァイスがいた。体力面での問題はないものの、やはりスピードは現役時代より劣るらしい。
その光に照らされる金の髪も空色の瞳は、まさに青空のようだった。
「加減しろっての。義足相手だぞ」
息を切らしながら笑う男は、何か、眩しかった。ふとそう感じれば──
『お前は完璧な女でなければ』
ふと、自分が太陽に似つかわしくない者に思えた。
「ごめんね」
……そうだ。艶やかに光る赤紫の瞳に、薔薇色の唇。「女」の具現のような肢体。──自分に求められているのは、陽の下で輝くような場面じゃない。
「ごめんね」
彼女はそう、繰り返した。
「いや、別にいいけど。それで何だ、今日はどこ行きたくて俺呼んだんだよ」
悪いが荷物持ちの戦力にはなれねえぞ、とヴァイスは胸を張る。そうね、とフィオナは唇に手を当て──
「まずは、一服しない？ 時間はたっぷりあるもの」
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紫清(プロフ) - 桐箪笥さん» なんですかねそれ尊すぎやしませんか？？ そしてそれを桐箪笥さんが書いてくれる、と……（控えろ） (2020年1月1日 0時) (
レス) id: 840643cfcd (このIDを非表示/違反報告)
桐箪笥(プロフ) - 紫清さん» なんだかその後に早朝、神社などに思った訪れて御籤を引いてみんなで甘酒でも呑むのかな…と想像してしまいました。ごめんなさい、つい…想像が止まらない… (2019年12月31日 23時) (レス) id: c5094549cd (このIDを非表示/違反報告)
紫清(プロフ) - 桐箪笥さん» グレイくんはそういう所Z要領良さそうだなと思いまして笑 私も、彼らの幸せそうな姿が書けて楽しかったです！ (2019年12月31日 22時) (レス) id: 840643cfcd (このIDを非表示/違反報告)
紫清(プロフ) - くろせさん» ありがとうございます！ 昇華隊の野郎共はいいですよね！！（負けじと大声） (2019年12月31日 22時) (レス) id: 840643cfcd (このIDを非表示/違反報告)
桐箪笥(プロフ) - グレイ…とことんやるだけやって責任放棄ですか、そうですか← 幸せそうなみんなが見れて感無量です！ (2019年12月31日 22時) (レス) id: c5094549cd (このIDを非表示/違反報告)
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