全方位から狙われています。【名探偵コナン】

バーに行ったら黒の組織３ ページ38

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ふとお洒落な掛け時計に目をやると、午前４時頃を指していて、そろそろホテルに戻って寝ないと明日の仕事に響くと思い、惜しいが帰ることを決めた。
連絡先も入手したことだし、出来る限り会わない方が身の為だが万が一、何かあっても接触できる。

とりあえず明日、赤井さんにジンさんとベルモットさんは組織の人なのか聞いてみよう。

「すみません。明日も仕事があるので、今日は帰りますね。素敵な時間を有難うございました。」
「あら、もうすぐしたら私たちも帰ろうと思っていたの。ドライバーが来るけど、家まで送ってもらわない？」

まさかの専用のドライバーが来る発言。
こうも待遇がいいと、転職を考えたくなるな。
……黒の組織に。
そんなことを口走った日にはありとあらゆる人に説教されて、きっと出禁になってしまう。
全く、想像するだけで恐ろしい。

「お気遣い有難うございます。しかし、帰りはタクシーで帰りますのでご心配なく。」
「そう？分かったわ。」

黒の組織に住んでいる場所を教える程私は酔っていなかったので、送ってもらう件は丁寧にお断りした。
身なりを軽く整えて、鞄から財布を取り出そうとすると予想外の人物から静止の声が掛かる。

「俺が出す。」
「……そんなの申し訳ないです！私が払います！」
「ジンがそんなことを言い出すなんて珍しいわね？……これは貴女の時間を貰った代金よ。受け取ってあげた方がジンも喜ぶんじゃないかしら。」

二人からの押しに負けて払って貰う事になった私。
いくら、敵対する組織の人間とはいえこのようなお金の事はきっちりしたい派だ。

「いつかちゃんと返すので……」
「それは”また俺と会う”と受け取っていいのか？」
「私が見つけたのよ、ジン。私とも会ってくれるわよね？」

もしかして私は、黒の組織にモテているのか。
そう錯覚してしまうほど、二人から食い気味に詰め寄られる。
私の身元が割れている訳でもないし、会っても大丈夫だとは思う。
……ただし、降谷さんにバレないことが絶対条件。

「ぜひ。私で良ければいつでも呼んでください！でも、一つお願いしていいですか？」
「なぁに？言ってみなさい。」

「私にもジンさんやベルモットさんみたいな名前を下さい！次会うときにはその名前で呼んでほしいです。」





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