全方位から狙われています。【名探偵コナン】

初仕事４ ページ33

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いつでも銃撃戦を行なえる準備をした後、そういえば携帯をマナーモードにしていなかったことを思い出してポケットからスマートフォンを取り出す。
すると、同時に流れ出す着信音。
表示名は……”降谷零”。

またお前か！
……じゃなくて、私は前回連絡を入れたときから、降谷さんに電話をかけていないのであった。
射撃場から帰ってきた日の夜は毎度毎度、疲れ果てていてお風呂に入ると速攻で寝てしまっていた為、電話はおろか携帯すら開いていなかった。
どうか、見逃してほしい。
でも、そろそろ出なきゃ殺されるよね。死んじゃうよね。

「携帯の電源は切っておけと言っただろう。」

私の諸事情など知る由もなく、辛辣な言葉を投げてくる上司。
はいはい、電源を切っていなかった私が悪いですよーーだ。

「す、すみません！まだ時間ありますよね？ちょっとだけ出てきます！」

予定時刻の３０分前だったからか、赤井さんは何も言うことなく電話に出ることを許してくれた。
私の電話には余程興味が無いようで、銃を磨き始めた。
こちらとしては有り難いが、興味なさすぎるのもどこか寂しいような気もしなくはない。

赤井さんに降谷さんの声が聞こえないよう、少し距離を取ってから電話に出た。

「すみません降谷さ……」
「お前なぁ……！連絡はきちんとしろと公安であれほど……」

あまりの声と勢いに思わず、携帯を耳から遠ざけてしまう。
怒っとる。予想はしていたけど、かなり怒ってる……！
警察学校から縦社会で育ってきた私はいつもの癖で携帯にペコペコと頭を下げながら、謝罪をする。

「お前、今まで何してた？」
「毎日射撃の訓練に勤しんでおりました……家に帰ると睡魔が襲ってきて、ぶっ倒れる日々で携帯すらろくに開いてません……」
「だろうと思った。俺が怖いのかと思って、松田にも連絡させたのに返事が返ってこないから。」

怒り口調なのは、どうやら私を心配してくれていたようで降谷さんの暖かさに申し訳なくなる。
耳から携帯を離しているついでに着信履歴やメールの履歴をみると、物凄い数の通知が来ていて改めて報連相の重大さを学んだ。
この調子だと、携帯の寿命が人一倍早く来てしまいそうだ。

……松田さんにも後で連絡を入れておこう。






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