全方位から狙われています。【名探偵コナン】

七瀬、FBIになる。２ ページ2

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ルールを破るイコール、日本の警察を全員敵に回すことになる。
私が今、逃亡を試みたと仮定したとすると、１０分以内に降谷さんに捕まり、公安に連れ戻される。
その後、公安部の風見さんが加わり、順番に説教を食らうだろう。

……生憎、私にはその説教を受ける気力も度胸もない。

このように突飛押しもなく「アメリカに飛べ。」と言われても、私は二つ返事でアメリカに向かうしかないのだ。


何があったのかは知らないが、私が公安を敵に回したくないように、公安もFBIを敵には回したくないのだろう。
私も面倒事は嫌いだ。ここは寛大な心というやつで何となく察して、従ってあげよう。

眠たい頭でそんなことを考えていると、航空券と今回の件のについて詳細が書かれてある封筒を掌に乗せられた。

「……明日の午前７時発のように見えますが、これは睡眠不足で私の頭がおかしくなっただけですかね。」
「いや、午前７時発で合ってるぞ。」
「ありえない……私、寝てないんですよ！？アメリカに着いた瞬間、三徹で弱っている私がテロにでも遭って死んだらどうするんですか！」
「大丈夫だ。七瀬はそんな簡単に死なない。」

何も言い返せない。
呆れた私は、航空券と一緒に渡された封筒をベリッと破ってその中身を見た。

……全部、英語じゃないか。
読めない訳ではないが、日本語と英語ならもちろん日本語の方が好きだ。
眠すぎて頭が回らない私の事を考えて、日本語にして欲しかった……！
適当に飛ばしながら、読み進めると引っかかる一文が目に付いた。

「この、”アメリカ滞在期間の七瀬Aの身柄はFBIが預かる”って一体、どういう事ですか。」
「”アメリカ滞在中、公安は七瀬Aに指一つ触れるな”という事だ。……よく見れば脅迫文だな。」
「……ということは、公安は私を売ったんですね！？これじゃ、まるで”私が死んでも公安には関係がない”みたいじゃないですか！私が一体、どれだけの書類を手伝ってあげたか……！」

「A、煩いぞ。」

聞き慣れた声に振り返ると、そこには腕組みをしながら壁に体を預けている降谷さんの姿があった。





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