かわいい子には要注意1 ページ33
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毎日、応援団の練習はあって、少しずつだけど角名くんとも仲良くなった。初対面はどうなることかと思ったけれど、根はやさしい人で安心した。クラスでは相変わらず、挨拶すら返してくれないけれど。
でも、応援団の練習時間や、人のいない時なんかは話をしてくれる。警戒されていた人に、少しだけでも心を開いてもらえるというのは嬉しいことで、頬が自然と綻んでいくのが分かった。
それから、もう一人。
応援団のおかげで角名くんのみならず、一年生の女の子とも仲良くなった。
「Aせんぱーーい!」
「あ、莉子ちゃん!おはよう。」
宮城 莉子ちゃん。はじめてStellaと登校した日に、賢二郎にお弁当を渡した子だった。Stellaへの抜け駆け接触はこの学校では、御法度である。私もなるべく近づかないように気を付けてはいるが、莉子ちゃんは賢二郎にお弁当を渡したことが原因で三年生や同級生から酷いいじめを受けていたらしい。
応援団のグループ練習で、たまたま同じグループになり、最初はどんな子なのかとドキドキしていたが、話すと普通にいい子で仲良くなったのだ。
「A、ダンスの振りちゃんと覚えたか?」
「覚えたよ!角名くんも教えてくれるし。」
「角名?ああ、あいつか。Aとよくいる……」
「賢二郎センパイ!おはようございます。」
「ああ、はよ。じゃあな、A。」
廊下で莉子ちゃんと話していると、賢二郎に話しかけられた。賢二郎は莉子ちゃんのことを毛嫌いしているようで、
「アイツには関わんな。」
「なんで?」
「いいから、」
「賢二郎は神経質になってるだけだよ。本当はとってもいい子で……」
「は!?俺様の有難い忠告ぐらい真摯に受け止めやがれ。」
と、家で喧嘩になることはしょっちゅうである。賢二郎が教室に向かっていったうしろ姿をずっと眺めている莉子ちゃん。賢二郎のこと、本当に好きなんだなぁ。あんな事があっても、好きでいる莉子ちゃんは純粋に尊敬する。
私は莉子ちゃんを応援するとは言ったものの、賢二郎の態度がアレだから全然協力は出来ていないんだけど……。
「昼休み、中庭来てもらえますか。」
いつもの何倍も低い莉子ちゃんの声が耳に入るって、背筋が凍る。
「……え?」
「お昼ご飯、一度Aセンパイと食べてみたかったんですよ!……だめですか?」
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一(プロフ) - 氷翠さん» 夢主は生粋のいい子ちゃんにしてみました。 読んでくださりこうしてコメントくださることが一番嬉しいです。 更新頑張ります! (2019年12月27日 9時) (レス) id: ca6dbfc4b7 (このIDを非表示/違反報告)
一(プロフ) - 輝星さん» ありがとうございます。ときめいてもらえて嬉しいです。更新頑張ります……! (2019年12月27日 9時) (レス) id: ca6dbfc4b7 (このIDを非表示/違反報告)
氷翠 - 夢主様良い人すぎて泣いた。大好きになりました!登録できないのが悔しい・・・更新頑張ってください!! (2019年12月25日 20時) (レス) id: 3f35ea9ba7 (このIDを非表示/違反報告)
輝星(プロフ) - とっても素敵でめちゃくちゃトキメキまくってました!すごく大好きです!語彙力なくて全然言えないのが悔しいです。更新頑張ってください!楽しみに応援してます! (2019年12月25日 2時) (レス) id: 5fda6ee181 (このIDを非表示/違反報告)
一(プロフ) - 神月さん» ありがとうございます。地の文が多くて読みにくいところもあると思いますが、そういってもらえて嬉しいです…!頑張ります。 (2019年12月17日 19時) (レス) id: ca6dbfc4b7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:一 | 作者ホームページ:https://twitter.com/ninoma_e
作成日時:2018年5月4日 17時