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天地が逆転した視界でどんどん青ざめていく安定の顔だけが見える。
これはマズイ。反射的に清光がいる方を向くと、下半身むき出しの清光が驚いた顔でこちらを見ていて。
な、なんで襖が全開になってんの……!?
原因はすぐにわかった。転んだ瞬間に手をかけたところがこの部屋の襖の縁で、滑った勢いでこの襖が開いてしまったのだ。
半泣きで震えていて、今にも泣き出しそうな清光が口を開いた。
「み、見たの……?主っ、俺の……」
「申し訳ございませんでしたああああああ!」
土下座する勢いで謝って、全速力で走って、この場を離れる。ついでに隣で青ざめて固まっている安定を連れて。
この場にいたら、罪悪感で私が死ぬ。
「こら!夜中に廊下を走るんじゃない……って主?」
廊下をドタドタと走っていると襖から出てきた歌仙兼定に怒られるが、とにかく清光と今後どう接触を測るかについて考える方が先だ。安定の腕を引っ張りながら、審神者部屋へと飛び込んだ。
久しぶりに全力疾走したから、疲れた。糸が切れたようにパタリと畳に倒れこむ。死ぬ、酸素酸素。
「もう、どこからツッこんだらいいか分からない。」
「今聞くと、下ネタにしか聞こえないからやめて安定。」
「なっ……!?」
顔を真っ赤にしているであろうピュア安定に寝そべっている私の背中をパシンっ、と叩かれる。
大好きな主に……ホント容赦無いな、お前は。でも、罪悪感で塗れている今の私にはこれくらい叩いてもらった方がいっそ心地が良かった。
とりあえず何があったのか話して、と事の成り行きを詳細に話す。そこは、再現しなくていいからっ!と時々殴られるが、思い出せることを必死に話しているのだ我慢してやってほしい。
全て話し終えると、安定は呆れた顔で私に言った。
「主って、へんたい なんだね。」
「やめてーー!もう私にダメージを与えないで!」
「いやでも、例えばさ、安定の……んーー、好きな子でいいや。好きな子が、自分の名前を口にしながらアレしてたら気にならない!?」
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Efu - ヒョウァ、、めちゃ面白かったです!!めっちゃ続きを見た(((これからも頑張ってください! (1月17日 9時) (レス) @page10 id: 7d4e6f58f0 (このIDを非表示/違反報告)
学生審神者 - はじめまして!すごくおもしろかったです!最高です!続きめっちゃ読みたいです… (2020年3月15日 17時) (レス) id: 9722bd5197 (このIDを非表示/違反報告)
さんじ太夫(プロフ) - やたら長い長編とかではなくて、ピクシブの一本漫画みたいな感覚でスラスラ~と読めてとっても面白かったです(*‘∀‘) (2020年3月1日 4時) (レス) id: 9809501303 (このIDを非表示/違反報告)
ゆお - こう言うのないで新鮮でしたw面白かったです!(笑) (2020年2月4日 17時) (レス) id: 7c49b78205 (このIDを非表示/違反報告)
雪月花のとびうお(プロフ) - 初めまして!めちゃくちゃ面白かったです!!終始爆笑しながら読んでました(笑)本当に、凄く面白かったので、良ければ別男士パターンでも書いて欲しいなと思います! (2020年1月23日 2時) (レス) id: b36649e14a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:一 | 作者ホームページ:https://twitter.com/ninoma_e
作成日時:2020年1月10日 19時