全方位から狙われています。【名探偵コナン】３

側にいて３ ページ30

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朝、アラームの音で目覚めると降谷さんがすぐ隣で寝ていた。しかも、私の手を握って。何故。

夜更かしのせいで私の睡眠の質はガタ落ちしていたはずなのに、至近距離でスヤスヤと眠る降谷さんによってで一気に目が覚めてしまった。

布団から出ようにも、出られない。この腕は一体、どうすればいいの！

自然と降谷さんの端正な顔に視線がいく。こんなに至近距離で降谷さんの綺麗な顔を見る機会なんてそうそう無い。ごくりと生唾を飲んだ。

長いまつ毛、高い鼻、綺麗な肌……おまけに、ぐっすり熟睡しているが故に無防備な表情……、そこまで考えたところで、自分はもしかして変態なのかと自分でつっこみたくなってしまった。

いつも私より早く起き、遅く寝ている降谷さんが寝息を立てながら、スヤスヤと眠っているところなんて久しぶりに見たような気がする。余程、疲れが溜まっていたのだろう。

こんな降谷さんレアだし、もう少し見ていたい気持ちはあるけど、そろそろ朝ご飯を作らないと時間がない。私1人ならご飯を抜いて仕事に向かうが、降谷さんはちゃんと食べなきゃ駄目だ。

掴まれている腕をそっと外して、布団から出ようとする。しかし、床に片足がついた瞬間、後ろから降谷さんに腕を回されて布団の中に引き戻された。

ね、寝ぼけてる！？降谷さんの筋肉質な腕で、ガッチリホールドされていて全く身動きが取れない。

前にも寝ぼけた松田さんに後ろから抱きしめられた覚えが……寝起きの大人ってみんなこんな感じなのか……？

吐息が耳にかかってこそばゆい。相手は寝ぼけているだけなのに、体温がどんどん上がっていく。

「……側にいて、俺から離れていかないで、」

耳から脳に直接、伝わる。寝ぼけているにしてはハッキリとした言葉だった。急に何でこんなことを言い出したのか分からない。私がまた不安にさせたのかと思ったが、思い当たる節がない。

ただ、過去に降谷さんの身に起こったことを思うと、降谷さんの呟きを冗談で流すことはできなかった。降谷さんはああ見えて結構、繊細な人だ。





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