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家に入ればこっちの勝ちだ。私の家は大通りから外れたところにあるから、人の通りが少ない。ドアを閉めてすぐに鍵を掛ければいける。
策を練っていると気付けば宮侑は隣に居て、何か言いたげに私の顔を見た。
「あのさ……大変申し上げにくい話なんやけど。」
「何。」
自宅はもう見えていて、距離にすればあと数メートルといったところである。
「俺、今晩宿無いんよ。」
「はい？」
「見てのとおり俺、生まれも育ちもここやなく兵庫やねん。東京の大学行くからって兵庫出て、双子と二人暮らししとんやけど、アイツキレて俺の口きいてくれんねん。終いには出て行け言われてしもうて。」
「……そうですか。頑張ってください。」
話を聞いている間に自宅の目の前までやってきたので、鍵を開けて玄関に入った。宮侑の大変な事情はよく分かったが、もう関わりたくないと家のドアを閉めた。
と思ったが、完全には閉まっておらず、宮侑が足をドアの隙間に滑り込ませていた。
ドアの隙間から、うるさい声で叫ばれる。
「待てい、アンタに人の心は無いんか！？」
「殺人鬼と一つ屋根の下で暮らす！？冗談じゃない、絶対無理！死んじゃう。」
「だから、俺はお前を殺さん言うとるやろ！？何回言ったら分かんねん！とりあえず、中入れてくれや。１１月とはいえ外、寒いねん。Aちゃんは俺をこんな寒空の下放り投げるんか。」
言い方がずるい。これじゃ、まるで私が悪いみたいじゃないか。
寒空と言っても、まだ11月。耐えられないほどの寒さではない。それに、このイケメンにかかれば今日の宿なんて3秒で見つかるだろう。私が助けないといけない理由なんて。
演技なのかもしれない。いや、間違いなくそうなのだが、宮侑のこの縋るような瞳に言われると何も言えなくなる。一晩、一晩だけ。一晩泊めたら、速攻家に帰そう。
そう決めて、閉めかけていたドアを開けた。
「今日だけだから。」
「ほんまに！？ありがとう！これで香水臭い女に声かけんくて済んだわぁ。」
宮侑に甘い私も私だ。予想は当たっていたようで、あのままドアを閉めても良かったかななんて思ったりする。
でも、泊めてあげると言ったからには一晩だけはちゃんと面倒を見よう。そう心に決めて、ホットコーヒーを淹れてあげた。
「ホットコーヒー？俺が、寒い寒い言ってたから淹れてくれたん？それなら嬉し、」
「私が飲みたかったから。宮侑のはついで。」
「……俺のお嬢はツンデレか。なるほどなぁ。」
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水彩campus - めちゃくちゃ良い作品です！！！侑かっこよすぎ……(ニヤニヤ)更新頑張って下さい！！待ってます(*^^*) (2020年11月29日 3時) (
レス) id: d614036431 (このIDを非表示/違反報告)
一(プロフ) - チャイさん» チャイさんありがとうございます。色気ムンムンの宮侑目指して今後も頑張ります……！ (2018年11月26日 22時) (レス) id: ca6dbfc4b7 (このIDを非表示/違反報告)
チャイ(プロフ) - 色気に溢れた作品ですね……最高です (2018年11月25日 14時) (レス) id: 26170b8b11 (このIDを非表示/違反報告)
一(プロフ) - manaさん» manaさんありがとうございます！楽しんでいただけて何よりです！更新がんばりたいと思います……！！ (2018年11月17日 17時) (レス) id: ca6dbfc4b7 (このIDを非表示/違反報告)
mana - とってもいい作品ですね！これからも応援してます！！！！！！！！！！ (2018年11月16日 20時) (レス) id: a616d0f8f5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：一 | 作者ホームページ：https://twitter.com/ninoma_e
作成日時：2018年11月10日 17時
