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6限が終わり、研究室から出ると宮侑が女の子に囲まれているのが見えた。……本当に同じ大学だったんだ。
宮侑から話は聞いていたが、本当かどうかは別な話であるので驚きのあまり二度見してしまった。
殺人鬼とはいえ、顔はイケメンだから女の子に囲まれるのも頷ける。話しかけたい気持ちはあったけれど、あの中に突っ込んで行くのは無茶だと思いやめた。
本日二度も見れただけで満足である。
気付かれないように、人集りの横を通り抜けようと歩き出すと、その中心にいる宮侑と目が合った。ニヤリと宮侑の口角が上がる。その瞬間、心臓を掴まれたような感覚に陥る。体が石のように固まって、身動きを取れなくなる。宮侑から目を逸らすことができない。
宮侑は女の子の波を掻き分けて、こちらまでやって来た。
「探したで。Aちゃん。」
「……宮侑。」
へらりとした笑みを浮かべて、宮侑は私の頭を撫でた。周りの女の子たちから黄色い悲鳴が上がる。宮侑はここにいる女の子たちの誰でもなく、私を目当てにここまでやってきてくれたのだった。そう思うと、どこか気分は良くて、宮侑からの誘いを断ることもなく一緒に帰ることにした。
いつも歩いている道なのに少し楽しく思えてしまうのは宮侑のせいなのだろうか。コートのポケットに手を突っ込んだ宮侑の横顔に目をやると気を抜けば、つい口元が緩んでしまいそうになる。
「そんなに俺のことジロジロ見て……もしかして、俺に惚れてもうた？」
ぐっと距離を縮められた。
つい先ほどまで数十センチ離れた所にあった宮侑の顔がすぐそこにあった。咄嗟に否定しようとしたが、何故か声を出すことが出来なかった。
誰かに胸が高鳴るなんてこと初めてで、こうしている間にも宮侑の瞳に私の心は吸い込まれそうになる。この感情が好きだと言うことは知っていた。
甘い言葉を囁かれて落ちるなんて安い女にも程がある。それでも、今すぐ認めしまわなければ彼の心は直ぐに遠く離れてしまう。どこかそんな気がした。
「……惚れた。」
「え？」
私がこんなことを言ってしまうのも、何となくの直感を信じたいせいだ。これが疑似恋愛だとしても、中学生のようなままごと恋愛だとしてもそんなことは私に関係のないことだった。宮侑の瞳をこちらに向けておきたい。ただそれだけだった。
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水彩campus - めちゃくちゃ良い作品です！！！侑かっこよすぎ……(ニヤニヤ)更新頑張って下さい！！待ってます(*^^*) (2020年11月29日 3時) (
レス) id: d614036431 (このIDを非表示/違反報告)
一(プロフ) - チャイさん» チャイさんありがとうございます。色気ムンムンの宮侑目指して今後も頑張ります……！ (2018年11月26日 22時) (レス) id: ca6dbfc4b7 (このIDを非表示/違反報告)
チャイ(プロフ) - 色気に溢れた作品ですね……最高です (2018年11月25日 14時) (レス) id: 26170b8b11 (このIDを非表示/違反報告)
一(プロフ) - manaさん» manaさんありがとうございます！楽しんでいただけて何よりです！更新がんばりたいと思います……！！ (2018年11月17日 17時) (レス) id: ca6dbfc4b7 (このIDを非表示/違反報告)
mana - とってもいい作品ですね！これからも応援してます！！！！！！！！！！ (2018年11月16日 20時) (レス) id: a616d0f8f5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：一 | 作者ホームページ：https://twitter.com/ninoma_e
作成日時：2018年11月10日 17時
