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演奏が終わっても、ずっと亮くんは仏頂面で、そしてAはずっと笑顔だった。
いいライバルというのはこの2人のことを言うのだろうと、いつも思う。
相手がいるから、自分も気を抜けない。
相手がいるから、実力以上の力が発揮できる。
2グループを兼任するという酷な状況を、この2人ほど上手くバネにした人を他に知らない。
マグロみたいに猪突猛進に、競い合ってきた2人だった。
亮くんが不意に、スッと拳を突き出した。
Aが目を見開いて、揶揄うように笑う。
その笑顔を見てようやく、亮くんも破顔した。
錦「なんか恥ずいわ」
『ええやん。たまには仲良くしとかんと、また不仲説出されんで』
錦「まあ仲良えとかじゃないもんな、俺ら」
『せやな』
えぇー！と大ブーイングが起きて、2人は揃いも揃って苦笑した。
錦「もうそういう次元ちゃうやん」
『そうそう』
コツン、とAが拳をぶつけた。
『Buddyやもんな？(笑) 』
錦「曲のことはいじんなや！」
『ちなみに作詞が錦戸亮で、作曲が西野でしたー』
錦「うわ、最悪。俺、こっから先どーすればええん」
『知らんやん(笑) 』
2人がダラダラと喋っている間に、メンバーが微笑ましげに集まってきた。
倉「ええ雰囲気やん。グータッチなんかして」
『うわ。そういうノリ？いじられんの？』
横「そんなん言うてる大倉も、めちゃくちゃガチやったもんな。終わった瞬間、マジで安心してたやん」
村「横山さんもしっかり泣いてるとこ抜かれてましたよ」
安「ちゃんしんもピアノの指、ぷるっぷるなってたしな」
渋「ヤスとニシもなんやちょっとアレな雰囲気なってたやんけ」
丸「愛愛は2人でハグしてたしね」
錦「いや、マルたちのもたれあいの方が恥ずいやろ」
『なんだかんだ、皆それぞれ7人とも恥ずい感じやったな』
「「「自分もや！！」」」
『いや、うるさっ。全員でツッコまんで？(笑) 』
ヒラヒラと手を振って、Aは椅子に深く腰掛けた。
『ちょっとだけMCしとく？』
倉「いや、そんなんちゃうやろライブって。決めたやん、ここで喋ると後々長なりすぎるからやめよって」
『そやな(笑) いやなんか、喋る空気かなって思ってもーた』
倉「いやまあ、ええけど」
村「どうなん。今んとこ、ニシ的には」
『最高ちゃう？ひっさびさにピンスポ浴びて汗だくやけど』
錦「それもう聞いた」
『言うたっけ』
渋「それもういよいよやぞお前」
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作者名：藻くずちゃん | 作成日時：2022年9月28日 16時
