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3曲フルサイズの演奏が終わって、ようやく全員が楽器を置いた。
村「みなさん、どうもこんにちは」
「「『関ジャニ∞でーす！！！』」」
中継先の悲鳴が割れんばかりに響いた。
村「じゃあまず、本日の主役から挨拶お願いします」
『はい！』
いつもならすぐ真ん中に駆け出していたAが腰掛けたまま小さく手を挙げた。
『こんにちは……ってかこんばんはかな？皆、久しぶり！西野Aです！』
メンバーが見守る中、Aは袴の袂を握った。
『いや、めっちゃ暑い！ひっさびさにピンスポ浴びたら熱すぎてビックリしてる！』
汗を拭いながら、微笑むその姿にまた悲鳴が上がる。
『なんなん(笑) めっちゃキャーキャー言うてくれるやん。サービスしとく？』
袂を緩めようとする手を、隆平くんが慌てて止めているのが可笑しくて客席のスタッフからも笑い声が起きた。
それが収まるのを待っている内に、彼女の表情が真面目なものに変わった。
『今日は私のために時間を取ってくださってありがとうございます。全国の皆、ありがとう。直接は無理やけど、しっかりその熱受けとってるよ』
優しくカメラに向かって頷くA。
『私は今日を持って、関ジャニ∞から卒業します。脱退……ではなくて、卒業って感じ。私に出来ることはもう全部やれたかなって思うから、今日でおしまい！レギュラーとかも最近私の卒業特集とかでしんみりさせちゃってごめんね。でも今日のライブは……いや、めっちゃしんみりするかも。わからん。けど盛り上げるつもりではいるから！だから、私の最期のライブとかそんなん考えんと、思いっきり楽しんでね！以上！』
さっぱりと挨拶を済ませると、途端にカメラがすばるくんに移る。
彼が挨拶を始めると同時に、舞台上にソロソロと車椅子が訪れ、Aはそれに乗って去っていった。
きっと映像で見ている人は何の違和感も覚えていないだろう。
二「衣装替えするの凄いよね」
『だよね。無くても全然許されるだろうに』
松「プライドでしょ」
大「ニシって無駄に細かい所までジャニーズだからね」
櫻「それは悪口じゃない？(笑) 」
最後の信五くんの挨拶の途中、バンドセットが片付けられ、舞台中央にグランドピアノが置かれた。車椅子がやって来て、音を立てないようにスーツ姿のAが腰掛ける。
村「それではここからはデュオコーナーです！どうぞ！」
颯爽と現れたのは、揃いのスーツを身につけたすばるくんだった。
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作者名：藻くずちゃん | 作成日時：2022年9月28日 16時
