騎士と女神と店主は教会で�� ページ5
連れてこられたのは王城から少しだけ離れた広い丘の上に建てられたこじんまりとした教会だった。
確か王族専用に作られたそれに、ギルさんは迷いなく入っていく。
勝手知ったる庭のようにずんずん奥へと入っていき、居住スペースのようなところの扉を開けた。
驚くことに先客がいた。
ベッドと棚以外何もない場所に一人の美しい女性が座っていたのだ。
「あらあら。ずいぶん早いわね。急ぐと転んでしまうわよ。ギルバート。」
「ご機嫌麗シュウ、お母様。早くお母様に婚約者の姿を見せタイがために急いでしまいましタ。」
「こここここ、こん、こんや、婚約者！？！？ギルさん！？な、ななな、なにを！？」
動揺した俺はいまだに手をつかまれている右腕をブンブン振った。
物凄く煩わしそうなギルさんは呆れたように見てくる。
いやこれ誰だって動揺しますよ。
今までさんざん告白しても軽く流されていた人からいきなり婚約者なんて呼ばれてしまうなんて。
明日俺死ぬんじゃないかな。
死なないけど。
意地でも生き残るけど。
というかこの美人さん、今ギルさんの事をギルバートと呼んだ。
さらにこの人の事をギルさんはお母様と呼んだ。
そしてここは王族専用の、正しくは女神様専用の教会だ。
やはりギルさんは…。
「ギルバートの声を久々に聞いたわぁ。何年ぶりかしら？二十年ぶりくらい？貴方ときたら、いっつもカオス様に任せてしまって伝えるのもカイネリアス伝いで私たちに全然会いに来てくれないんだもの。」
「…お母様もお父様も俺のことを心配し過ぎなんダ。一人で過ごせますって何度言ったら分かル。」
「閉じ込めてしまったのは私たちだもの。国を背負うものとして、一人の人間として、親として心配するわ。」
「え、え？全然話が見えないんですけれども…？」
ギルさんと美女が話を進めてしまって一向に入る余地がない。
おろおろと二人を見ていればそっくりな顔でくすくす笑われてしまった。
「これは申し訳ないことをしたわ。ヴィクトリアの子。マリアの息子。貴方とははじめましてね。」
座っていたベッドからわざわざ立ち上がりこちらに向きなおった美女は厳かに、緩やかに軽く会釈をする。
「私はガイア。ガイア・コーネリアス・アーサー・クロウリー。巷では女神とか女神様、と呼ばれているみたいね。ギルバートの母です。」
「め、女神様！？」
にっこりと微笑んだ女神様に驚きを隠しきれない。
ご尊顔を初めて拝見した。
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午睡(プロフ) - crankyさん» ご感想ありがとうございます！頑張って更新してまいりたいと思います！ (2019年8月20日 21時) (
レス) id: c737663614 (このIDを非表示/違反報告)
cranky(プロフ) - めっちゃ大好きな作品です！(*'ω'*)更新楽しみにしてます！ (2019年8月20日 20時) (レス) id: c56a3e73e6 (このIDを非表示/違反報告)
午睡(プロフ) - 由亞-ゆあ-さん» ご感想ありがとうございます！更新の励みになります…！ (2019年8月19日 17時) (レス) id: c737663614 (このIDを非表示/違反報告)
由亞-ゆあ-(プロフ) - 年下×年上の .. ﾄﾞｽﾄﾗｲｸです .. * 2人が、繋がるのが待ち遠しいです♪これからも更新頑張って下さい！ (2019年7月22日 17時) (レス) id: 5570d39ba6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：午睡 | 作成日時：2019年4月6日 18時
