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酒を飲みたい店主と騎士 ページ32

「ところでアルマ君よ。」

「はい。愛の告白であればいつでも受け付けております。」

「君の幼馴染とグウェンダル殿がどのような恋路を歩んでおられるか非常に興味が湧かないかね?」

「スルーですかそうですか……。お言葉ですが東の国には"人の恋路を邪魔する奴は、馬に蹴られて死んでしまえ"ということわざがあるそうです。」


そう申し上げた途端にギルさんはニヤリと楽し気に笑った。

ご尊顔が非常に楽し気で若干嫌な予感がする。


「他人の恋愛を邪魔は無粋の極み。往来を歩けば、人にも馬にも蹴られるだろうって意味だったか。」

「分かっておられるのであれば出来る限り自粛して頂きたく……。」

「ふん。分かっておらぬなぁ……現人神たるこの俺が自粛などするわけがあるまいよ。俺を蹴れば人であろうが馬であろうが等しく不敬だ。生命の頂点たる存在を蹴り上げるなど出来ようはずもない。」


だから引きません媚びません反省しません。

楽しくて仕方がありませんとヴェールを被った現人神様は立ち上がる。


慌ててついていくために身支度を整えると、向かう先を聞いた。

どこへなりともお供するつもりではあるが、今の会話の流れだと明らかに余計なことをしそうだ。


「どちらへ?」

「酒場でグウェンダルとロゼとお前と俺の四人で飲むんだよォ」

「えっ。酒場ってあのダウンタウンの?」

「アァ?ダメってのカァ?」

「あっ、いや、その、国王陛下になんと申し上げれば……?」

「カイネに投げとけ。あいつが何とかするだろ。」


あっはい……。

カイネリアス殿下が白目をむく映像が脳裏に映る。


おそらくダウンタウンの店主、ギルとしてただ飲むだけだろう。

単純にこの間の飲み会が楽しかったのかもしれない。


ギルさんの顔がただ酒が飲みたい、という顔なのである。

それならそうと言ってくれればよいのだけれど、悪いことを付随して考えてしまうのがこの人だ。


「と、言う訳でェ」

「はい。承知しました。正式にはアップタウンへの外出と致します。御者は私が致しますので、馬車内でお着替えを。」

「気が利くナァ」

「素直にダウンタウンに行くなんて言ったら俺が国王陛下に首をはねられてしまいます!」


ケタケタ笑うギルさんは早々に部屋を出ていく。

慌ててその後を追うと、バッタリとカイネリアス様にお会いした。


なんとタイミングのいい。


「んじゃ。後、よろしく。」

「え?え?現人神様?兄上!?」


ドンマイ。

カイネリアス。

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設定タグ:男主 , ファンタジー   
作品ジャンル:ラブコメ, オリジナル作品
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午睡(プロフ) - crankyさん» ご感想ありがとうございます!頑張って更新してまいりたいと思います! (2019年8月20日 21時) (レス) id: c737663614 (このIDを非表示/違反報告)
cranky(プロフ) - めっちゃ大好きな作品です!(*'ω'*)更新楽しみにしてます! (2019年8月20日 20時) (レス) id: c56a3e73e6 (このIDを非表示/違反報告)
午睡(プロフ) - 由亞-ゆあ-さん» ご感想ありがとうございます!更新の励みになります…! (2019年8月19日 17時) (レス) id: c737663614 (このIDを非表示/違反報告)
由亞-ゆあ-(プロフ) - 年下×年上の .. ドストライクです .. * 2人が、繋がるのが待ち遠しいです♪これからも更新頑張って下さい! (2019年7月22日 17時) (レス) id: 5570d39ba6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:午睡 | 作成日時:2019年4月6日 18時

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