店主と騎士は研究者と戯れる�� ページ30
人よ、謙虚たれ、生よ、豊たれ。
カオスが俺に出会ったとき、俺が世界を知らないときに俺に教えてくれた言葉だ。
人という生き物は傲慢で我がままだ。
常に謙虚な気持ちをもって真実を見据える冷静な思考が必要である。
生とは世界そのものだ。
生きとし生けるものが豊かであればあるほど神は幸福に思い、世界を慈しむ。
他の種を人間ごときがいじくること自体傲慢だ。
お前は何様なのだという話になる。
しかし、やはり人間は欲深く己のことしか考えない生き物だ。
俺は！傲慢でも！愚かでも！構わない！！
俺が楽しければなんだっていいんだ！！
「食べ物とは人間の基礎であり国の根本だ。ここの研究や大学で行われている研究についてもある程度把握している。必要であれば資料を用意させよう。フィンクス殿の森の国は果樹が特産品だったな。確かこの研究室の中に果樹に対して興味深い研究をしている者がいる。」
「実はまだお会いできていないのです。」
「奴は自由だからな。この時間ならば食堂にいるはずだ。彼は話し始めると長いし、食堂で茶でも飲みながら話す分には有意義であろう。」
話の着地点が再び酒に戻りそうなのをこらえ、フィンクス殿下に意味のある情報を渡す。
いかん、酒のことになると熱くなってしまうのは悪い癖だ。
「現人神、というからには国の事を、国民の事を大事に思っていると考えていましたが実に想像以上に素晴らしい方だ。」
にっこりと微笑んだフィンクス殿下が俺の手を取る。
まさに王子様といった彼の行動に感心しながら内心冷めた気持ちだ。
だからそういうの俺には意味ねぇって。
「そのヴェールの下には聡明で美しい人の顔があるのでしょう。」
「申し訳ありませんフィンクス殿下。それ以上は看過しかねます。」
するりとアルマが間に割り込んできた。
あれ以上の接近は現人神的にもアルマ的にも許容しかねたのだろう。
一瞬アルマがうざいと言わんばかりの顔をしたが、すぐに取り繕って謝罪の言葉を口にした。
ある意味グウェンダルより厄介な奴だ。
「では、私はその研究者に会いに行くとしましょう。今度は二人っきりでお話させてくださいね。」
部屋を出ていったフィンクス殿下を見てアルマが短く息を吐く。
「そこまで気を張り詰めなくても動じたりはしない。」
「……好きな人が詰め寄られているのを見て焦らない男はいませんよ。」
拗ねたような口調のアルマに軽く笑う。
全く、可愛いやつだ。
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午睡(プロフ) - crankyさん» ご感想ありがとうございます！頑張って更新してまいりたいと思います！ (2019年8月20日 21時) (
レス) id: c737663614 (このIDを非表示/違反報告)
cranky(プロフ) - めっちゃ大好きな作品です！(*'ω'*)更新楽しみにしてます！ (2019年8月20日 20時) (レス) id: c56a3e73e6 (このIDを非表示/違反報告)
午睡(プロフ) - 由亞-ゆあ-さん» ご感想ありがとうございます！更新の励みになります…！ (2019年8月19日 17時) (レス) id: c737663614 (このIDを非表示/違反報告)
由亞-ゆあ-(プロフ) - 年下×年上の .. ﾄﾞｽﾄﾗｲｸです .. * 2人が、繋がるのが待ち遠しいです♪これからも更新頑張って下さい！ (2019年7月22日 17時) (レス) id: 5570d39ba6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：午睡 | 作成日時：2019年4月6日 18時
