騎士と店主はめかし込む�� ページ11
一通り抱きしめて満足した国王陛下は二人を開放し、こちらを見てくる。
国王陛下の視界に入ることなど滅多にない事だから光栄だ。
しかも今や想い人の父親…。
思わず伸びた背筋に国王陛下はニコニコと笑う。
「君がアルマ君だね。ツヴァインから話は聞いているよ。勅令を使ってまで君を騙してしまったのは申し訳ないと思っているが、こうでもしないと君は首を縦に振らないと思ってな…。」
「申し訳ございません。陛下から賜るなど騎士として最上級の誉れであるにも関わらず…不敬罪および反逆罪に相当致します。命をもって償いを…。」
「いやいや。我が国は自由恋愛を推奨している。君が剣を捧げたい者が他にいるのであれば国王である私は反対するべきではない。実際に反対はしていないしね。今この一時だけ、ギルバートに剣を捧げてくれればいい。」
「はっ！」
むっすりとしたギルさんが俺を見る。
"お前本当に一時だけ捧げるつもりないだろう"という顔だ。
無論当然ですとも。
一時と言わず一生捧げる所存。
ただここで国王陛下に直訴すると俺が陛下に殺されそう。
あの溺愛っぷりで息子さんをお嫁さんかお婿さんにください！！なんて言った日には俺の首が飛ぶ。
両方の意味で。
「お父様、本日訪れる方々にはあらかじめ私のことはお伝えしているのでしょうか。」
「伝えはした。国の方針もな。だが納得してくれているかは別問題だろう。正直に言ってお前を手に入れさえすればカオス様は手に入る。」
「誘拐とか無理やりな行為はしないのは、カオス様の怒りを買ってしまうのが目に見えているからね。お兄様、覚えてるでしょう？」
「ああ。ゼノブレイド家事件か。」
ゼノブレイド家事件とは実に有名な話だ。
他国に貴族たるゼノブレイド家の長男が現人神を誘拐し、モノの二日でゼノブレイド家は崩壊した。
文字通り木端微塵になったのだ。
カオスに連なる神々による災いによって何もかもが立ち行かなくなり、自然災害に多く見舞われた。
その中心にいた現人神は無傷で、彼の懇願により周辺住民は無傷だったという。
殺害もなしではあったけれどあれはもうほぼ殺人みたいなものだ。
「あれのせいで拘束度が増したと言っても過言ではないからな…私も避けたいところではある。」
「故に今日から期日を設けての見合いだ。ギルバートの意志を最大限に尊重しよう。」
こうして、俺とギルさんの結構忙しい王城生活が始まった。
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午睡(プロフ) - crankyさん» ご感想ありがとうございます！頑張って更新してまいりたいと思います！ (2019年8月20日 21時) (
レス) id: c737663614 (このIDを非表示/違反報告)
cranky(プロフ) - めっちゃ大好きな作品です！(*'ω'*)更新楽しみにしてます！ (2019年8月20日 20時) (レス) id: c56a3e73e6 (このIDを非表示/違反報告)
午睡(プロフ) - 由亞-ゆあ-さん» ご感想ありがとうございます！更新の励みになります…！ (2019年8月19日 17時) (レス) id: c737663614 (このIDを非表示/違反報告)
由亞-ゆあ-(プロフ) - 年下×年上の .. ﾄﾞｽﾄﾗｲｸです .. * 2人が、繋がるのが待ち遠しいです♪これからも更新頑張って下さい！ (2019年7月22日 17時) (レス) id: 5570d39ba6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：午睡 | 作成日時：2019年4月6日 18時
