幼馴染と噂の店主�� ページ10
隣から穏やかな寝息が聞こえてくる閉店後の店内。
明日は非番だからと閉店時間までギルさんが作った普段飲まないカクテルを飲んで、すっかり寝落ちたアルマを眺める。
カウンターの内側から佳容な寝顔を突っつくのは俺と一緒にアルマを寝落ちさせた共犯のギルさんだ。
アルマが起きていると語れないあれやそれやのためにアルマのお手洗い中にこっそりお願いした。
本当は閉店する前に寝落ちさせたかったのだが意外と酒が強い幼馴染はなかなか手ごわく閉店後になってしまった。
「すみません、ギルさん。閉店したってのに。」
「イイって。俺もいろいろ話したかったシ。」
最近のお気に入りだというハイボールを一緒に飲みながら語り合うのはなんてことない日常の話。
俺しか知らないアルマの一面を語れば、ギルさんが酒場でのアルマを教えてくれる。
本日は行われなかった愛の告白入店とやらは今度ぜひとも見てみたい。
「うちの阿呆が迷惑かけてないみたいでよかったです。」
「酒飲んで飯食って帰ってくちょっとうるさい客サ。飲食店で毎日来てくれるリピーターってのは貴重だぜェ？」
「違いないです。」
騎士の給料はなかなかに高額で、その中でも部隊長格となると桁違いになっていく。
時期騎士団長として絶賛習練中のアルマはまだまだこれから給料が上がるし。
この酒場の料金はダウンタウン基準でとてもお安い。
毎日来るぐらいで財布は痛まないだろう。
「アァ、閉店まで居座るのはやめておけって伝えテ。」
「いつ帰ってるんだろうと思ったらそんな遅くまで！？」
「騎士の仕事が何時からだかしらねぇがいつか体壊すゾ。具合悪いやつにゃ客だろうが知り合いだろうが酒は出さねぇからナ。」
午前中よくうたた寝をしていると思ったらそんな生活を送っていたとは。
というかそれだけの睡眠時間でうたた寝だけすればいいとかどんな超人だ。
ヴィクトリア家は本当に人間なの？
「うーん…ヴィクトリアの血筋すげぇ…。」
「なんとなく察した。全く、寝不足で怪我でもされたら俺が目覚め悪いってのォ。」
だらしなく頬を緩めてむにゃむにゃ夢の世界に旅立っているアルマの頬をつねるギルさんは楽しげだ。
これだけ見ていればまるで友人か親友か、愛情の感情があれば恋人かと見まごうほど二人の間に流れる空気が穏やかで。
本当に相手にされていないのか甚だ疑問である。
たしかにお客がいるときは冷たかったけれど、人目がなければアルマにべた甘じゃないか。
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午睡(プロフ) - 空弥さん» ご感想ありがとうございます！早めの更新を心掛けて頑張ります！ (2019年2月26日 19時) (
レス) id: 3cc312a385 (このIDを非表示/違反報告)
午睡(プロフ) - ナッツさん» ご感想ありがとうございます！とっても励みになります…！ (2019年2月26日 19時) (レス) id: 3cc312a385 (このIDを非表示/違反報告)
空弥(プロフ) - 絡みがすごく可愛らしくて好みです……！作者様のペースで更新頑張ってください、応援してます (2019年2月24日 13時) (レス) id: 87c9fca00c (このIDを非表示/違反報告)
ナッツ(プロフ) - 好きです!!!最高です！続きめっちゃ気になります！更新楽しみにしてます!!!!!!! (2019年2月24日 3時) (レス) id: 7b2bfdb44e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：午睡 | 作成日時：2019年2月18日 19時
