若造騎士と現人神�� ページ49
首を傾げたギルバート殿下が言う。
「なんだ。聞いておらぬのか。そうさな、我を見て何も言わぬのなら聞いておらぬのだろうな。哀れな奴よの。しかし安心せよ。我はどのような輩であれ受け入れよう。無限であり原初であり空間であり世界そのものである我は何者でも愛そう。カオスの名においてな。ガイアとは違うのだよガイアとは。」
うんうん、と頷きながらポンポン肩をたたかれ長々と何かを言われても状況が把握できない。
あまりにも偶然とは思えない"ギル"という名の共通点。
略せば誰だってギルだろうそれは本当にギルさんとは無関係の別人なのだろうか。
この人のヴェールの中の素顔は一体どんな顔になっているのだろうか。
もしその先の顔がギルさんならば…？
「それ、このような場所で油を売っていても時間がもったいないだけだ。ティターン…タイタンの方が馴染みがあるか？兎にも角にもクロノスにせっつかれては敵わん。」
後ろを押されて案内を促されながらも時折歩みが止まる。
このギルバート殿下は明らかにギルさんとは別人だ。
精神がまるで違う。
神聖というのだろうか。
まさしく"神"だと本能が告げている。
しかし現人神は誰かの体に憑依した神を表す言葉だ。
もしその中身である本当の第一王子がもしギルさんと何らかの関係が…。
ある。あるわ。カイネが言っていた。
仲良しさんだと言っていた。
それは一体どういう意味だったのか。
点と点が線でつながりそうなのにつなぐ線が曖昧だ。
このカオスだのクロノスだのガイアだのあらゆる神話の名前を出しているが毎年現人神として憑依しているのはカオスだ。
唯一神カオスとその娘息子の神族達。
ギルさんとは一体何者なのだろうか。
いや、それは別にいいんだ。
だって俺はギルさんそのものを愛している。
何者であってもそれは揺るぎないものだ。
だからこそ、否定するのではなく受け入れるために知りたい。
あの人が何者で何であってどういう存在なのかを。
この現人神は、ギルバート殿下はそれを知っている。
ならば聞かないわけにはいかない。
「ギルバート殿下。」
「なんだ。」
「ギルバート・クロウリーについて…いいえ。貴方の知るギルという人物についてお教え願えないでしょうか。」
立ち止まってしまったギルバート殿下へ振り返る。
表情すら見えないヴェールの向こう側でよく知っているようなあくどい笑みが見えた気がした。
「良い。許す。聞かせてやろうぞ。」
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午睡(プロフ) - 空弥さん» ご感想ありがとうございます！早めの更新を心掛けて頑張ります！ (2019年2月26日 19時) (
レス) id: 3cc312a385 (このIDを非表示/違反報告)
午睡(プロフ) - ナッツさん» ご感想ありがとうございます！とっても励みになります…！ (2019年2月26日 19時) (レス) id: 3cc312a385 (このIDを非表示/違反報告)
空弥(プロフ) - 絡みがすごく可愛らしくて好みです……！作者様のペースで更新頑張ってください、応援してます (2019年2月24日 13時) (レス) id: 87c9fca00c (このIDを非表示/違反報告)
ナッツ(プロフ) - 好きです!!!最高です！続きめっちゃ気になります！更新楽しみにしてます!!!!!!! (2019年2月24日 3時) (レス) id: 7b2bfdb44e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：午睡 | 作成日時：2019年2月18日 19時
