遊び人と酒場の店主と若造騎士II ページ38
俺と無駄に長い名前を持ったカイネが出会ったのは小さな教会。
教会の近くに住んでいたとんでもないお金持ちの子供のカイネと俺はお互い年の近い遊び相手として仲良くしていた。
「それが数年前、俺は教会を出て行った。それから連絡を取ってなかったってっトコ。」
「ほーんと心配したんだからね！」
「なるほど…ギルさんはアップタウン出身だった…。」
「アレ？言ってなかったっケェ？」
ダウンタウンで路頭に迷っていたところ拾われて、それなりに武術に心得があった俺は割と楽に過ごせていた。
あんなところでもいい奴はいるもんで酒場が出来上がるまでお世話になっていた人がいる。
その人はもう歳で亡くなってっしまったけれど今でも感謝しているものだ。
住めば都のダウンタウンは世を生きずらくなった人も住まう。
善悪ではなく、人の中で生きることもできなくなった人もいるのだ。
「教会との関わり合いってのはソレのことダナ。親に言われて居ただけだから意味なんてシラねぇケド。」
「ギルは昔から興味ないことは覚えない主義だったしねー。」
「アルマは聖書も誓いの言葉も祈りの言葉も覚えてんダロ？俺には無理だワ。」
「信心深いわけではありませんが、一応騎士団は女神様に誓いを立てますから。」
ヴィクトリア家は特に女神との関わり合いが深い。
嫁いだアルマの母親が女神に存在が近い聖女だからだ。
女神と聖女はとっても仲が良いらしく、ヴィクトリア家と王家は関わり合いが深い。
アルマが教会に詳しいのは母親の影響だろう。
父親の戦神はその辺が疎そうだ。
「あと、カイネは遊び人だからあんまり関わらん方がいいゼェ。」
「え？そうなんですか？」
「ちょ、ちょ！違う違う！一応これでも近衛！騎士団一番隊所属！第二王子付きなんだからね！？」
一番隊とはヴィクトリア家の当主、アルマの父親たる騎士団長が率いている部隊だ。
王族の身辺警護も担っているエリート集団である。
カイネはその一番隊の中でも第二王子付きという重要役職。
因みに第一王子は留学中で今は国にいないことになっている。
「ヴィクトリアのアルマだって本当は第一王子が留学しなきゃ第一王子付きの近衛だったんだよ？」
「ご留学は致し方ありませんよ。見聞を広めるのも大事なことですし。」
本来所属するはずだった部隊の名を出されて困った顔をするアルマを見て、カイネが俺にジト目を向ける。
そんな顔をされたって知らん。
第一王子とか知らん。
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午睡(プロフ) - 空弥さん» ご感想ありがとうございます！早めの更新を心掛けて頑張ります！ (2019年2月26日 19時) (
レス) id: 3cc312a385 (このIDを非表示/違反報告)
午睡(プロフ) - ナッツさん» ご感想ありがとうございます！とっても励みになります…！ (2019年2月26日 19時) (レス) id: 3cc312a385 (このIDを非表示/違反報告)
空弥(プロフ) - 絡みがすごく可愛らしくて好みです……！作者様のペースで更新頑張ってください、応援してます (2019年2月24日 13時) (レス) id: 87c9fca00c (このIDを非表示/違反報告)
ナッツ(プロフ) - 好きです!!!最高です！続きめっちゃ気になります！更新楽しみにしてます!!!!!!! (2019年2月24日 3時) (レス) id: 7b2bfdb44e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：午睡 | 作成日時：2019年2月18日 19時
