約束したい若造騎士�� ページ17
うーんっと唸るギルさんをドキドキしながら見つめる。
少しの間悩んだ挙句、眉を八の字に下げて苦笑いをこぼした。
「見栄を張らないなら友人もロクにいない。昔からの腐れ縁ってのはあるんだがなァ。そんな奴が恋愛になんかある方がおかしいっちゅうもんで。」
「手をつないだりとか、告白されたりしたりとかは？」
「本当に初々しい例だなァ。どっちもしたことないしされたことネェヨ。手をつないでお買い物とか憧れるワー。」
なんだこの穢れを知らない天使。
やることがいちいち大人のビターな恋と言わざるを得ないドキドキするものなのに。
恋愛初心で手をつないで買い物してみたいだと？
本物の騎士として貴族としてエスコートしたくてたまらない。
壊れものを扱うかのように綿で包み込んで温めて抱きしめたい。
そのための！両手！！
「ギルさん抱き着いていいですか？」
「なんだ甘えたい盛りかァ？ほらよ。オイデ？」
「違うけど好きッ！！」
包み込むどころか包み込まれた。
抱きしめるどころか男前に両手を広げていい声で「おいで」されてしまった。
欲望に逆らうこともできず酒で体温が上がった熱いほどの躰に触れる。
ヤバいものすごく落ち着く。
包容力しゅごいぃ…。
「筋肉質で抱き心地まあまあ。」
「抱かれ心地しゃいこうれしゅ…赤ちゃんになりそう…。」
「なんだそりゃぁ。」
大爆笑のギルさんがパッと腕を放してしまった。
名残惜しいけれど好きな人が笑っている姿に心がほっこりする。
ギルさんが楽しいなら俺は何でもいいや。
あッ！いやよくない！！
普段はいいけど今はよくない！
「ギルさん！デートしましょう！」
「デートだぁ？」
ああッギルさんの口からデートの単語が出ただけでキュン死しそう。
いやダメだ俺。意志を強く持て。
今はこのチャンスを逃すな！
「はい！買い出しの荷物持ちでも、行きたい場所へのお供でも！とにかく一緒に出掛けましょう！」
「ダウンタウンからアップタウンへ出る際のルールは知ってるだろォ？」
「アップタウン在住の知り合いや友人、恋人が同伴の場合は適応外だったはずです。それでもダメならダウンタウンで！腕っぷしには自信があります！」
これでも騎士ですから！と胸を張れば悩んだように新しいウイスキーのボトルを開けた。
しばしカウンター内のいろいろなものをごそごそし、悪戯っ子の笑みを浮かべた。
「気が向いたら、な。」
笑顔の裏に悪だくみと悪戯の気配がした。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 75人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「男主」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
午睡(プロフ) - 空弥さん» ご感想ありがとうございます！早めの更新を心掛けて頑張ります！ (2019年2月26日 19時) (
レス) id: 3cc312a385 (このIDを非表示/違反報告)
午睡(プロフ) - ナッツさん» ご感想ありがとうございます！とっても励みになります…！ (2019年2月26日 19時) (レス) id: 3cc312a385 (このIDを非表示/違反報告)
空弥(プロフ) - 絡みがすごく可愛らしくて好みです……！作者様のペースで更新頑張ってください、応援してます (2019年2月24日 13時) (レス) id: 87c9fca00c (このIDを非表示/違反報告)
ナッツ(プロフ) - 好きです!!!最高です！続きめっちゃ気になります！更新楽しみにしてます!!!!!!! (2019年2月24日 3時) (レス) id: 7b2bfdb44e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：午睡 | 作成日時：2019年2月18日 19時
