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力の差 ページ4

「…ほんとに痛いんですか?」

検査室に向かう途中で深見先生に聞いてみる。

「さあな」

先生は黙り込んだ私を見て楽しそうに笑った。

「……性悪」
「何か言ったか」
「別に何も」

どうも私は思ったことをすぐに口に出してしまう性質のようだ。
気をつけないと。

「…着いたぞ」

無機質なドアが開けられ、私は検査室の中を見た。
…硬そうなベッドが二つと、よくわからない機械がたくさんある。
嫌な予感がするので脱走計画を立てよう。

「ちょうど薬がきれた。点滴を抜こう」
「えっ」
「あれ、いやなの?さっき自分で抜こうとしてたんじゃないの?」
「だって自分でなら痛くないじゃないですか」
「お前その敬語はやめろ。違和感しかない」
「善処します」

会話をしつつドアのほうに目を走らせる。よし近い。
私は先生二人がよそ見をした瞬間を狙ってドアにダッシュした。

「A」

深見先生に手首をつかまれ、後ろにぐいっと引っ張られる。
だめだ私くそ弱い。

「放せッ!!」

振りほどこうとしてもがいてみる。
……ちょっと無理かもしれない。
つかまれたところが痛い。
というかミシミシいってる気が…。

「…先生、痛い、です」
「痛いなら大人しくしろ」

鋭い視線に背筋が寒くなる。
私はまだ、自分がなぜ記憶喪失になったのかも知らないけれど。
いくつかわかったことがある。

深見先生に逆らうと危ない。
あと怒った顔イケメン。

手→←自分



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ステラ - 信じられないほどドキドキします(?)主さんの作品がめっっっちゃくちゃ好きです!!!最高です!!楽しみが増えました! (2022年6月4日 9時) (レス) @page50 id: 1d9e4d2339 (このIDを非表示/違反報告)
瀬央 - 続きが楽しみです! (2018年10月18日 23時) (レス) id: 7188a9c310 (このIDを非表示/違反報告)
ふーか(プロフ) - 前の作品から大好きです!!続き楽しみです! (2018年7月1日 17時) (レス) id: 7a5dbc0816 (このIDを非表示/違反報告)
タケノン(プロフ) - 猫ザクラさん» 飛び上がりましたか笑 ありがとうございます。これからもぜひ読んでくださると嬉しいです(  ̄▽ ̄) (2018年6月26日 22時) (レス) id: bf709e921d (このIDを非表示/違反報告)
タケノン(プロフ) - ハジメマシテさん» 様付けされるような者じゃないんで!!笑 書くのは楽しいので時間のある時にコツコツこそこそと……。 (2018年6月26日 22時) (レス) id: bf709e921d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:タケノン | 作者ホームページ:http  
作成日時:2016年3月27日 16時

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