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自分 ページ3

先生はまたあとで来ると言って部屋を出て行ってしまった。
私はベッドを降りて、点滴の薬がぶら下がってる棒を掴んだ。
どうやらこれと一緒に生活をしなきゃいけないらしい。なんて面倒な。

私は棒を押しながら歩き、先生が出て行ってない方のドアを開けた。
洗面所だ。
なぜか、やっぱりなと思った。

洗面所の鏡に、おそらく私のであろう顔がうつる。
短くて真っ黒な髪、対照的な白い肌。
一番特徴的なのは、アーモンド形の大きな灰色の瞳。
自分で言うのは大分変だが、綺麗な顔をしている。

「…ラッキー」

顔が良ければそれだけで物事が進むこともある。
そう教えてくれたのは誰だったか。
…おそらく性格の悪い人物だと思われる。

「A?」

どうやら深見先生が戻ってきたらしい。
私は洗面所を出て部屋に戻った。

「おかえりなさい、先生」
「ただいま」

先生はちょっとだけ笑ってくれた。
…なぜか、切なくなった。

「ははっ、一条が大人しいのはやっぱり違和感あるね」

深見先生の横にいるのは、何となく軽薄そうな…っていうと失礼か。
うん、でもそんなかんじの男の人。

「僕は相楽結生。君の恋人」
「えっ」
「ふざけるな」

深見先生のチョップに相楽先生は頭を押さえる。
ざまあ。

「A、今から検査室に移動する」
「逃げちゃダメだよー」

相楽先生がほっぺをつんつんつついてくる。
超鬱陶しい。

「ちょ、まじで鬱陶しそうな顔するのやめて。先生泣きそう」
「鬱陶しいんです。…検査って何やるんですか」

深見先生の方を向いて聞いてみると、先生はニコッと笑って口を開いた。
……なんだろう、この悪寒。

「とっても痛いこと」

……。

「行かない」
「あっ、敬語抜けた」
「くだらないこと言ってないでAの左腕を掴め」
「はいはい」

そうして私は不本意ながら検査室に移動する(連行される)ことになった。

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ステラ - 信じられないほどドキドキします(?)主さんの作品がめっっっちゃくちゃ好きです!!!最高です!!楽しみが増えました! (2022年6月4日 9時) (レス) @page50 id: 1d9e4d2339 (このIDを非表示/違反報告)
瀬央 - 続きが楽しみです! (2018年10月18日 23時) (レス) id: 7188a9c310 (このIDを非表示/違反報告)
ふーか(プロフ) - 前の作品から大好きです!!続き楽しみです! (2018年7月1日 17時) (レス) id: 7a5dbc0816 (このIDを非表示/違反報告)
タケノン(プロフ) - 猫ザクラさん» 飛び上がりましたか笑 ありがとうございます。これからもぜひ読んでくださると嬉しいです(  ̄▽ ̄) (2018年6月26日 22時) (レス) id: bf709e921d (このIDを非表示/違反報告)
タケノン(プロフ) - ハジメマシテさん» 様付けされるような者じゃないんで!!笑 書くのは楽しいので時間のある時にコツコツこそこそと……。 (2018年6月26日 22時) (レス) id: bf709e921d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:タケノン | 作者ホームページ:http  
作成日時:2016年3月27日 16時

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