私の兄ちゃん坂田銀時4【銀魂】【沖田総悟】

141 ページ2

.






『は？』




「お前が、このままだと俺みたいになるっつってんだよ。」




『いや、意味がわからねェんですが。』




心を強く握られた心地がする。





「……俺は後悔してない。

だが、お前は後悔する。」





『……そんな簡単に言うんじゃねェや。』





「言う。簡単だからな。」




土方さんの視線が、俺に向いたのを感じながら、俺の視線は落ちたまま。




「俺が憎いなら動け。」





去っていく後ろ姿、俺は時々本気で、あの背中が憎かった。




簡単だ、と言われても。

そんなの土方さんにはわからない。




のに、アンタに何がわかるんですかィ、

とは、言えなかった。




土方さんがわかっているものが、

俺が土方さんにはわからないだろう、と思っているものを凌駕している気がするから。




土方さんが田舎にいた頃経たものの中を、

俺は今進んでいる気がする。





土方さんは、後悔していない。

俺は、後悔する。




……バカにすんじゃねェ。

覚悟くらいできらァ。




そう思うのに、あの伏し目に説得感があって仕方がない。





『あー、マジで、本当に。』





ムカついて、憎たらしい。







.

142→←140

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す