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side沖田
「んじゃ、まァそういうことだからして、
よろしくゥ。
あと、オメェも忘れんじゃねェぞィ。」
とっつぁん、とか呼ばれてた先公はまだ地べたに座って兄弟喧嘩をしている、というか、もはや引っ張り合いの喧嘩にまで発展している妹に釘を刺して、どこかへ行っちまった。
「オメェらもいい加減立てよ。
どんだけ見られてると思ってんだ。」
「うるせェマヨネーズ!
オメェは口出しすんじゃねェよ!
毎回毎回俺がゴミ出し当番の日にゴミ出してきやがって!
お宅のゴミマヨくさいんですけど!?」
「んだと、コラ!?」
あーあー、さっきまで鎮めた土方さんも一緒になっちゃって。
『土方さん、みっともないですぜィ。
一緒にいる俺らまでアホと思われらァ。』
「おろ?」
銀髪の兄貴が俺を見てころっと表情を変えた。
「こちら、どちらさんで?」
「ああ、こいつは俺らの後輩の総悟だ。
総悟、さっきも近藤さんが言ったが、
こっちが兄の銀時で、そっちが妹のAだ。」
「どーもー、兄の銀時でーす。」
「どーもー、妹のAでーす。」
『どーもー、弟の総悟でーす。』
「いや誰の弟かこいつらにはわかんねェだろうが!」
『土方さん、俺は姉上の存在を隠すなんてことはできやせん。』
「やかましいんだよお前は!」
「どーもー、一人っ子の勲でーす。」
「あんたは全員知ってんだろうが!」
「だって俺さっきから全然喋ってないんだもん、
俺だって会話したかったんだもォん!」
「もォんじゃねェんだよ気持ち悪ィ。」
ツッコミで大忙しの土方さんを尻目に、
俺はA、とかゆーやつを眺める。
顔はまァ、割と、結構可愛い。
兄と似て品はねェみてェだが。
「ちょ、お宅ら。俺もう行っていい?
俺もこの後学校あんだよ。銀さんだって暇じゃねーの。」
「あ?別に誰もお前を引き止めてねェよ。」
「なんでそういう寂しい事言うの!?
俺こう見えてガラスのハートなんだよ??
寂しがり屋なんだよ!?!?」
「知らねェよ、んなこたァ。
おら、さっさと行け。シッシッ。」
ちぇっ、たくよォ、と、兄貴が頭をかきながらヘルメットを被り、原チャリを起こして跨る。
「A、オメェ初日からヘマすんじゃねェぞー、
友達100人つくれよー。」
あんたも十分ヘマしてたろうが。
という言葉は飲み込んで、遠ざかってゆく原チャリを眺める。
魂高の周りには変なやつばっかりがいるらしい。
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作者名:ニコ | 作成日時:2020年4月3日 10時