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それからはもう、ひどかった。
銀ちゃんは食事中は動揺しすぎて、ハンバーグがレトルトだったことをばらしちゃうし、
私がお風呂に入ってる間も、脱衣所からずーって話しかけてきてたし、
お風呂をあがって部屋にこもり、やっと1人でバーゲンダッシュ食べれる……と思えば、30秒に1回はノックしてくる始末。
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「な、キリンの鳴き声って牛の鳴き声と似てるってしってたか?」
知ってるよ、それぐっさんが言ってたよ。
銀ちゃんは話しかけるネタが尽きてきて、ついに豆知識を披露するようになった。
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『銀ちゃん……
私、もう寝る……』
なんでただ寝るって言う報告を、
「私、東京に行くの。もう会えないの。」
みたいな雰囲気で言わなきゃ行けないんだ。
で、なんでアンタもこの世の終わりみたいな顔してんだ。
「……あ、じゃあ寝る前に、銀さんが久しぶりに絵本読んでやるよ!!
小さい頃はよくやったよなァ???
なんの絵本がいい??」
『私、明日練習試合あるから、早く寝なきゃなの……』
「そ、そうか。そりゃ、仕方ないよな。
うんうん、仕方なァい……
んじゃ、おやすみ……」
パタン。
あれ、案外あっさり退散した。
___そっかぁ、銀ちゃんも本当に成長したんだな。
大学生だもんね。一人で寝れるようになったかぁ。
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___コンコン、ガチャ。
「あの……一緒に寝ても、いいですか……」
いや、枕取ってきただけかい。
『もーいーよ!わかったよ!!
ただし、布団は別!ちゃんと敷いてください!
あと、私ほんとに寝るからね!!』
「ありがとォ妹よォォォ!!」
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ここからが、真の悪夢の始まりだった。
「……起きてる?」
『……起きてる。』
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「……起きてる?」
『起きてる。』
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「起きて__」
『寝てる。』
「起きてんじゃねェか!!
分かりやすく嘘ついてんじゃねェ!!」
『……』
「……ごめんって!!お兄ちゃんが悪かった!!
お兄ちゃんが悪かったから返事してェ!
あ、しりとりでもする??よし、そうしよう!!
じゃあ俺からね、しりとりのリ、
りんご!!」
『……五右衛門。』
「ン、かァ、難しいなァ。
んー、ン、ねェ……」
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明け方までしりとりに付き合わされました。
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作者名:ニコ | 作成日時:2020年4月3日 10時