犬猿

49 ページ49

陣馬さんの病室に到着すると、外で泣いてる九重が居る。

『…陣馬さん良かった』

中に御家族がいて入れないが外からでも、分かる意識のある陣馬さんの姿が。

『…志摩さん達は？』

｢っ…まだ、連絡取れなくって｣

泣いている九重の隣に座り、2人に連絡をしようとすると、九重の電話が鳴る。

｢はい、陣馬さんが目を覚まして…は、東京湾？｣

『は？』

恐らくどっちかからの連絡だっち思うが、何故か東京湾という言葉が出てきた。

｢志摩さん達久住を追ってたら気がついたら東京湾にいて今近くの港から連絡してるって…｣

『ちょっと意味わかんないけどとりあえず…本部に連絡しなきゃ』

私達は、走りながら糸巻さんによく分からないままとりあえず事情を説明。

｢どうやって、志摩さん達を迎えに行けば…｣

使える車が今の私たちには無い。

『メロンパン号って無線外されてるだけだよね？』

｢それだ！｣

私は急いで芝浦署に向かい、事情を説明しメロンパン号を借りた。

『伊吹さんの靴も持っていかないと！』

久しぶりに来る分駐所で他人のロッカーを漁り急いで志摩さんと伊吹さんの元へ。

『なんか、ワクワクしてきた…』

｢何伊吹さんみたいなこと言ってるんですか｣

『でも、九重もワクワクした顔してじゃん』

｢…内緒ですよ｣

誰よりも早く。

2人の元へ。

そして、久住を捕まえに。

50→←48

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す