犬猿

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本来であれば、2人1組で動くはずなのに私には相棒がいない。

それは、九重よりもあとに無理矢理第4機捜に詰め込まれて人員不足により、401、404の同行ということで動くことになった。

本来であれば、こんなことは無い。

でも、私の父ならできること。

名字警視総監、それが私の父。

元々、私が警察になることをよく思ってはいない人だった。

男は外で働き女は家で待つ。

古臭い考えの人。

高校生の時に、進路を決める際に警察になりたいと伝えたら猛激怒。

父｢そんなに警察になりたいなら出ていけ！｣

18歳の子供に、ここまで言うくらい。

私は望み通り大学進学と同時に家を出た。

それ以来、ほとんど会っていない。

桔梗隊長が、機捜初の女隊長ということで無理やりねじ込んできたんだと私は思ってる。

女は警察には向かない。

そんなことを言う人だ。

何かあればまとめて捨てられる。

そういう考えで、私は急遽第4機捜にやってきた。

こんな内情を察しているのは、恐らく私と桔梗隊長くらい。

女にしか分からない事情。

女だって言うことで風当たりが強いこの世界。

更に私には警視総監の娘ということで更に風当たりが強くなる。

あいつは女なのに。

警視総監の娘だからだ。

全部私の力で成し遂げて来たことなのに認めて貰えない。

伊吹｢Aちゃんどうしたの怖い顔して？｣

『なんでもないですよ。麺つゆの欲しかったなって思っただけです』

｢あれは、名字さんが悪いです｣

『黙って、濃くするなり薄くするなりすればいいじゃん』

陣馬｢騒ぐ暇あるならさっさと寝ろ！｣

分駐所に陣馬さんの声が響いた。

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