第四話 ページ6
「すみません、怖がらせすぎましたね」
腰が抜けて立てない私の腕を優しく掴んで立たせてくれる学園長さんには変わらず黒色の翼が生えている。
『怖い、こわい、んでしょうか……』
「と、いいますと?」
『確かに怖いんですけど、学園長さんのことが怖いんじゃなくて……なんだろう、妖怪なんて居ないと思ってたから、なんて言えばいいんでしょう……』
妖怪が怖いんじゃない、居ないと思ってたものが居るとわかってなんだかどうしようもない不安が襲ってきたんだ。
「まぁ、気にしないでいいんじゃないですか?怖くても怖くなくてもどうせこれから一緒に暮らしていくんですし、ね」
『そ、ですね……』
「さて、着きましたよ」
いつの間にか目的の場所に着いたらしい、目の前には寮らしき建物が立っていた。
『おっ……きいですね…』
「お金かけてるので」
恐ろしい……
「貴方の部屋は寮母さんに聞いたら分かりますので、あと入学式は一週間後です。それまでにここの世界の説明やらは他の先生が教えてくれるので、あまり外に出ないようにお願いしますね」
ぱっ、と掴んでいた手を離し翼を羽ばたかせ学校の方へ行ってしまった。
『嵐のようだな……』
さて、寮母さんのとこ行こーっと!
さっき感じた何とも言えぬ恐怖心はいつのまにかなくなっていた。
受付にいる人が寮母さんかな?
『すいません、私和泉Aと言うんですけど…』
「和泉…?あぁ!!人間界から来た外部生さんね!話は聞いてるわ、今回は女の子なのね!!妖魔界へいらっしゃい、歓迎するわ!!」
少しぽっちゃり目の気のいい寮母さんだ。母のような温かみを感じる………
「はぁい、これ貴方の部屋の鍵ね!部屋は広いから自由に使いなさい、先生が後から来るから!」
『ありがとうございます、失礼します』
めちゃくちゃ優しい……あの人は何の妖怪なんだろ
階段を登る。ここホテルみたいだな…綺麗。
508と書かれた木札と玄関に書いてある部屋番号を見比べながら進んでいく。
どこだ508号室……寮母さんに聞いとくんだった…
『い"たッッ』
前を見ていなかったせいで誰かとぶつかって尻餅をつく。
「ぉわ、……スマンな、大丈夫か?」
差し伸ばされた手を素直に受け取り立たせてもらう。
『こちらこそすいません、ありがとうございます』
目線を上げると赤色のマフラーに豚の被り物を被った人がいた。豚……???
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リトマス試験紙 - 最高に面白いです。頑張ってください!!! (12月29日 5時) (レス) id: 597af49ddb (このIDを非表示/違反報告)
汝(プロフ) - あっあああ!!めっちゃ好きです,,,♡ (9月6日 20時) (レス) id: fe2c1e07b2 (このIDを非表示/違反報告)
霙(プロフ) - もこさん» コメントありがとうございます。そう言っていただけて嬉しいです、励みになります。ゆっくりの更新にはなりますが次のお話も楽しんでいただけたらなと思います! (8月5日 23時) (レス) id: c3d88da4d8 (このIDを非表示/違反報告)
もこ(プロフ) - 私逆ハー大好物なので嬉しいです!この小説に出てくる実況者様達全員推しなので嬉しいです!更新頑張ってください! (8月4日 21時) (レス) id: 79dfdf41ef (このIDを非表示/違反報告)
霙(プロフ) - にゃーちゃんさん» コメントありがとうございます。楽しんでいただけてとても嬉しいです!徐々に色んな方を出して行きたいと思っていますので気長にお待ちくださいませ! (7月14日 22時) (レス) id: c3d88da4d8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:霙 | 作成日時:2023年1月22日 23時