第十話 ページ12
「俺、二年の鳥井希！！よろしくな！」
そう言って差し出された鳥井先輩の手を素直に受け取る。
『一年の和泉Aです、ここが妖怪の学校って知らずにきたので分からないことだらけで…教えてくれると嬉しいです。よろしくお願いしますね鳥井先輩』
「鳥井先輩じゃなくてゾムって呼んでや」
『え、いやでも…』
「ダメ？」
鳥井先輩はきゅっと私の袖口を掴んで目を覗き込む、フードのせいで見えづらかった緑の目が此方を見ている。少し寂しそうにゆらゆら揺れている。なんか、犬みたい……耳と尻尾が見える気がする
『う"……ぞ、ゾム……先輩』
「ｯｯおん！！！」
花が咲いたみたいに笑顔になるゾム先輩はやっぱり犬に似ている。
「じゃあチーム決まったな！」
そういえばレクリエーションの途中だった、なんなら始まってすらない。うわ〜何するんだろ…
『…ん？レクリエーションって一、二、三年それぞれ一人ずつでチーム組むんじゃないんですか？』
「せやで？」
『今いるの私とゾム先輩だけですよ…？』
「チームは俺もう組んでてん、あと一年だけやったんよな。エミさーんチーム決まったで」
と後ろへ声をかける。そうするとひょっこり誰かが顔を出した。
クリーム色の髪に色素の薄い瞳、纏う雰囲気は儚げで今にも消えてしまいそうな印象を覚えた。
童話に出てくる妖精みたいだな、なんて思った。
「本当ですか？………って女性…！？」
嫌われてはなさそうで少し安心した。女性が苦手なのかなこの人
『和泉Aです、流れでチームに入れさせていただいたんですけど…大丈夫ですか？迷惑だったら言ってください…』
「っそんなことないです！是非！私三年の絵見優斗と言います。和泉さん、よろしくお願いします」
にこにこと笑うゾム先輩とは変わって、上品に笑う絵見先輩は綺麗だった。
「あ、始まんで」
いよいよレクリエーションが始まる。少し楽しみだ、妖怪の学校のレクリエーションなんて一生にあるかないかだし。大体ないけど
------------
no side
「今年はどこが勝つんですかねぇ」
赤のマフラーが風に揺れる、どこかの一室で話す二人の影。否、人ではないが
「中々面白いチームだが……やはりここが気になるな」
ぴ、とモニターの一つを指差す。
「……この子って何かあるん？唯の人間にしか見えんけど」
「さぁな、俺にも分からん。ただ………」
口元を歪める
「面白いものが見れるだろうな」
期待してるぞ？
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 865人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
リトマス試験紙 - 最高に面白いです。頑張ってください！！！ (12月29日 5時) (
レス) id: 597af49ddb (このIDを非表示/違反報告)
汝(プロフ) - あっあああ!!めっちゃ好きです,,,♡ (9月6日 20時) (レス) id: fe2c1e07b2 (このIDを非表示/違反報告)
霙(プロフ) - もこさん» コメントありがとうございます。そう言っていただけて嬉しいです、励みになります。ゆっくりの更新にはなりますが次のお話も楽しんでいただけたらなと思います！ (8月5日 23時) (レス) id: c3d88da4d8 (このIDを非表示/違反報告)
もこ(プロフ) - 私逆ハー大好物なので嬉しいです！この小説に出てくる実況者様達全員推しなので嬉しいです！更新頑張ってください！ (8月4日 21時) (レス) id: 79dfdf41ef (このIDを非表示/違反報告)
霙(プロフ) - にゃーちゃんさん» コメントありがとうございます。楽しんでいただけてとても嬉しいです！徐々に色んな方を出して行きたいと思っていますので気長にお待ちくださいませ！ (7月14日 22時) (レス) id: c3d88da4d8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：霙 | 作成日時：2023年1月22日 23時
