異名で決まる世界 ＿2＿

49話:時計台へ進む ページ9

…歩き出してから数十分経つがちょっとしか近付いていない様だ

逆に言えばちょっとは近づいている、ならこのまま進むしかない…




「おい居たぞ！」

「二人だ！分かってるな！？」





四人組だ


意味は”一人は殺せ”、ルイさんは重要な道案内役であり、仲間だ。







やらせてたまるかっ！！







『[全員転べ]ぇえぇええ！！！』





いつの間にあったのか、もしくは何処から現れたのか、敵の足元に油が溢れており、それに思いっきり踏んづけ

惨めにスッ転んだ。





『[縄現れよ]！！』





縄で縛り付けそこら辺に捨てておく、この繰り返しをしながらただただ歩き、ただただ走る。



また時計台は近付いて来た、このまま行けば…









「居た！«命の所有者»(ライフホルダー)と«言霊操り師»だ！」

「あの二人はデカイ！捕まえろ！撃て！！」





デカイのか……もう何人か言うの面倒だ。


と思いつつ«言霊»を使おうと叫ぼうとしたら…








パシュ！パシュパシュパシュ！！








『ゲッ！(う、撃って来やがった！)』





だが！









『[弾は外れる]！[銃を落として転ぶ]！！』





最初に言った時点で弾はかすりもせず外れ、次の言葉を言った途端、銃が手から滑り落ち、また転んだ。

そして縄で縛って捨てるちゃんちゃん、と。





「A君！」

『何だ！？』

「なんか慣れて来てないー！？」

『……かもなぁ！！』





昔から«言霊»を使ってきたせいなのか、それともこの能力のお陰で元々滑舌が良いのか、早口言葉はナンバーワンだった。



ありとあらゆる早口言葉は手玉に取り、【早口の神】とかクラスで言われた事があった位に。




その早口のお陰で«言霊»はスムーズに言えるし発動する、相手よりもだから、同じ事を言い続ければそりゃあ次第に慣れてくるだろう。




嫌な慣れだが。

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