【d!】ヘビースモーカーと嫌煙家【z/m】

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なんて夢を見てしまったんだ…。
夢の中とはいいキスをしてしまったゾムくんに申し訳なくて何となく落ち込む。


今朝の夢といい今の夢といいなんなんだ？内容が真逆すぎる。こんだけ夢見るってなんかの暗示？
無意識に抱きしめていたパーカーからする香りに覚えがあった。


「あ、起きたん？」


オフィスの入り口から声が聞こえてそちらを見ると缶コーヒーを持ったゾムくんがいた。
(夢の中で)キスをしてしまったゾムくんが現れたことに勝手に気まずくなって動揺してしまう。


「ほい。先輩の分」


コトンとデスクの傍に置いてくれたのはカフェオレ。私がよく飲むやつ。


「先輩、そろそろ帰ろうや」
「え？でもまだ仕事が…あれ？」


パソコンのディスプレイには私が寝るまでやっていた作業とは違う内容が映っていることにに気づきマウスを動かす。
タブを切り替え他も確認するが引き受けた仕事は全部終わっていた。


「え、なんで…」

「先輩仕事引き受けすぎ。ちょっとは頼ってぇな」

「まさかゾムくんが…？」


私の問いに眉をひそめながら頷くゾムくん。


「…ごめんね、ありがとう」

「ちょっとはスッキリした？」


ポンポンと頭の上で彼の手が優しく跳ねる。


「え？」

「なんか眠そうやったし顔色悪かったで」

「ああ、そっか…寝不足で」

「夜更かししたらあかんやろ？もう今日は帰って寝るんやな」


そう言ってゾムくんは缶のプルタブを開けてコーヒーを流し込んだ。


そうだ、この匂い。この前の雨の日とは少し違う彼の匂いだ。

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