愛され者の紅一点(O.K) ページ33
現場から現場を移動する車の中。
振動で触れ合う俺の左肩とAの右肩。
擽ったいようなもどかしいような、不思議な感覚。
ずっと好きだった。
好きで好きで堪らなくて、どうしようもなくて。
我慢の限界を迎えたつい先日、抱く思いをAにぶつけた。
A「ねむ…」
大橋「俺も〜」
まさかAも俺のことが好きだなんて思いもしなかった。
だけど心の底から嬉しかった。
好きな人の好きな人は自分。
その事実だけが俺を舞い上がらせた。
A「もう着く？」
大橋「あとちょっとやで」
Aは俺の彼女で、俺はAの彼氏。
片思いをしていた頃の俺はもういない。
幸せってこういうのを言うんやと思う、多分。
美味しいご飯を食べている時より、
撮影が早く終わった時より、
大きなお仕事が決まった時より、
Aの笑顔を見ている時が1番満たされる。
小さな手をそっと握った。
A「何？」
大橋「んー？何となく」
最後部座席に乗ってスタッフさんに見えない角度でこっそり触れ合うこの瞬間が堪らなく好き。
Aの手が俺の手を握り返した。
淡いグリーンのネイルが目に入る。
大橋「変えたん？ネイル」
A「変えたで」
大橋「ええやん、可愛い」
A「ありがとう」
目を見合わせて互いに微笑んだ。
藤原「…あのさ」
大橋「ん？」
藤原「お前ら俺らがおること忘れてへん？」
眉間にシワを寄せた丈くんがこちらを振り返る。
藤原「さっきからイチャイチャしすぎやろ」
大橋「そんなんちゃうよ〜」
藤原「どこが"ちゃう"ねん！こっちが恥ずかしいわ！」
プリプリ怒る丈くん。
その隣で苦笑いを浮かべるみっちー。
道枝「仲良しですねえ」
大橋「微笑ましいやろ？」
藤原「"微笑ましい"とか自分で言うな」
大ちゃんが思いっ切り笑い出した。
西畑「あかん、黙っとこうと思ったけど無理やわ」
長尾「大橋くん完全に2人の世界入ってますもんね」
高橋「も〜ここ嫌や、気まずい」
反対隣の恭平がジタバタし始める。
大西「えっ？A寝てへん？」
長尾「あっほんまや！」
一斉にAに視線を向けるメンバー達。
流星の言う通り、当の本人は瞼を閉じて寝息を立てている。
藤原「マイペースにも程があるやろ」
西畑「まあ…疲れてるんちゃう？」
道枝「そっとしといたりましょ」
皆に愛される紅一点。
そんなAのことが、やっぱり好きで堪らない。
Fin
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わさび醤油(プロフ) - kkさん» 最後まで楽しんで頂き、こちらこそありがとうございました！今後も読んで頂けるように頑張ります！ (2022年8月17日 16時) (
レス) id: 9e28345530 (このIDを非表示/違反報告)
kk(プロフ) - 紅一点設定の短編集ずーっと楽しく読ませて頂きました！たくさんの素晴らしいお話をありがとうございました😍また新しい作品も楽しみにしています💕 (2022年8月17日 1時) (レス) @page50 id: 797470a670 (このIDを非表示/違反報告)
わさび醤油(プロフ) - なつきさん» ありがとうございます！次の作品もお楽しみに…！ (2022年8月16日 9時) (レス) id: 9e28345530 (このIDを非表示/違反報告)
なつき(プロフ) - 素敵なストーリーをありがとうございました。新しい作品を楽しみにしています！ (2022年8月16日 1時) (レス) @page50 id: 292579ac7e (このIDを非表示/違反報告)
わさび醤油(プロフ) - とんとんまるさん» 素敵なコメントありがとうございます！とっても嬉しいです。今後のお話もお楽しみに…！ (2022年8月13日 6時) (レス) id: 9e28345530 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わさび醤油
| 作成日時：2022年7月13日 2時
