数え切れないほど(O.K) ページ26
大橋「化粧落とさなあかんよ〜」
A「んー…」
下がってくる瞼と格闘している寝落ち寸前のA。
その目元にはキラキラしたアイシャドウが乗ったまま。
大橋「A、」
A「ねむ…」
メイク落としシートを手渡すも、受け取る様子はなくただただ脱力した表情を浮かべている。
しんどいよなあ、毎日。
撮影、収録、ラジオ、SNS、レコーディング、また撮影。
デビューしたばかりの俺らが過ごすハードスケジュールは並大抵のものじゃない。
A「ん〜、」
ゆっくりと体を起こしたAが数回瞬きを繰り返した。
大橋「ほら、」
手渡したシートを目元に当てたAが顔を歪める。
A「冷た、」
疲れているのはAだけじゃない。
俺だって忙しない日々について行くのに必死で、時には疲れが溜まる時もある。
だけど俺はAのことを1番に考えてしまう。
疲れている時は寄り添いたい。
辛い時は傍にいたい。
全てを投げ出したくなった時、俺にできることは全て施したい。
俺の中の優先順位は俺よりAの方が上。
そのくらい大切に思っていることを本人は分かっているのだろうか。
A「できたあ」
化粧を落とし終わったAが再び横になった。
大橋「化粧水は？」
A「んー…めんどくさい…」
今度こそ本当に眠りについてしまいそうなA。
その頬に唇を落とす。
A「へ、何？」
パチリと目を開いたAが俺を凝視する。
先程までの眠そうな顔から一転し、期待に満ちた表情。
大橋「化粧水は？」
A「する！します！」
慌てて起き上がったAが洗面所へ。
そしてすぐにスキンケアを終えて戻ってきた。
大橋「ん、おいで」
その言葉とほぼ同時に腕の中に収まったA。
幸せそうに俺の胸元に頬を擦り寄せている。
A「温かい…」
至近距離で視線がぶつかった。
上目遣いの瞳が潤んでいる。
A「ね、ちゅーは？」
大橋「さっきしたやん」
A「さっきはほっぺやん！」
さっきまで疲れ切って横たわっていたAとはまるで別人のよう。
大橋「1回だけやで？」
A「あかん、足りひん」
大橋「じゃあ2回？」
A「んー…10回！」
10回でも足りんやろ、どうせ。
そんなことを思いながら唇を重ねる。
A「幸せ、」
大橋「ん、俺も」
気が付いた時にはもう数え切れないほどの口付けを交わしていた。
Fin
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 373人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「Aぇ!group」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
わさび醤油(プロフ) - kkさん» 最後まで楽しんで頂き、こちらこそありがとうございました！今後も読んで頂けるように頑張ります！ (2022年8月17日 16時) (
レス) id: 9e28345530 (このIDを非表示/違反報告)
kk(プロフ) - 紅一点設定の短編集ずーっと楽しく読ませて頂きました！たくさんの素晴らしいお話をありがとうございました😍また新しい作品も楽しみにしています💕 (2022年8月17日 1時) (レス) @page50 id: 797470a670 (このIDを非表示/違反報告)
わさび醤油(プロフ) - なつきさん» ありがとうございます！次の作品もお楽しみに…！ (2022年8月16日 9時) (レス) id: 9e28345530 (このIDを非表示/違反報告)
なつき(プロフ) - 素敵なストーリーをありがとうございました。新しい作品を楽しみにしています！ (2022年8月16日 1時) (レス) @page50 id: 292579ac7e (このIDを非表示/違反報告)
わさび醤油(プロフ) - とんとんまるさん» 素敵なコメントありがとうございます！とっても嬉しいです。今後のお話もお楽しみに…！ (2022年8月13日 6時) (レス) id: 9e28345530 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：わさび醤油
| 作成日時：2022年7月13日 2時
