おやすみに込めた愛(S.S) ページ12
誰やねん、心霊スポットで1泊2日なんて言い出した奴。
A「あー…ほんまに無理」
末澤「俺も」
小島「俺もきついっすわ、流石に」
くじを引いたのは紛れもなく俺だけど、こんな劣悪な環境で撮影させられるだなんて思ってもみなかった。
恐怖心はさておき虫は出るわ訳の分からないスペースで寝ることになるわ、そっちの方が精神的にきつい。
家のベッドが恋しくて仕方がない夜更け。
隣に寝そべるAと更にその隣の小島。
3人仲良く川の字で眠ることになったものの、何だか落ち着かないまま時が流れる。
小島「何か歌歌いません？」
末澤「嫌やわ」
小島「紛れるっすやん」
末澤「寝られへんてそんなんしてたら」
Aがくるりと体勢を変えた。
俺に背を向けて小島にぴったりとくっついている。
A「こじけんええ匂いする」
小島「ちょ、くすぐったいって」
何とも言えない腹立たしさが込み上げる。
何やねんこいつら。
2人ん時にやれや。
そんなことを考えながら暫く天井と睨めっこしていると、静かな部屋に小島の寝息が響き始めた。
A「…誠也くん起きてます？」
遠慮がちな囁き声が聞こえた。
末澤「起きてる」
A「助けてほしいんですけど」
末澤「え？」
その言葉に振り向くと、小島によって思いっ切り抱き締められているAが目に入った。
A「動けへん…」
Aは完全に抱き枕と化しており、小島の腕と脚にしっかりホールドされている。
それを見てまた腹が立った。
末澤「くっつくからやん」
A「まさかこのまま寝るとは…」
末澤「知らんわそんなん」
俺は再び天井に視線を移した。
だけどどうしても気になってソワソワして。
素直になれない男心とAへの気持ちが葛藤を始める。
A「苦しい…」
末澤「あーもう、何やねんほんまに…」
上半身だけ起こして小島の腕と脚を無理矢理動かした。
そのままごろんと反対側に寝そべった小島は一瞬目を開けたものの、すぐにすやすやと寝息を立てる。
A「やっと解放された…」
俺は天井を見つめ直した。
A「…妬きました？」
末澤「はあ！？」
A「ちょ…声でかいです」
末澤「…何で俺がそんなん…」
たまには素直になってもええんちゃう？
何となくそんな思いが湧いて、何となく腕を伸ばして。
微かに香る小島の匂いに苛立ちながらゆっくりとAを抱き締めた。
末澤「…おやすみ」
Fin
おやすみに込めた愛(M.Y)→←Emotional photo(N.D)
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わさび醤油(プロフ) - kkさん» 最後まで楽しんで頂き、こちらこそありがとうございました！今後も読んで頂けるように頑張ります！ (2022年8月17日 16時) (
レス) id: 9e28345530 (このIDを非表示/違反報告)
kk(プロフ) - 紅一点設定の短編集ずーっと楽しく読ませて頂きました！たくさんの素晴らしいお話をありがとうございました😍また新しい作品も楽しみにしています💕 (2022年8月17日 1時) (レス) @page50 id: 797470a670 (このIDを非表示/違反報告)
わさび醤油(プロフ) - なつきさん» ありがとうございます！次の作品もお楽しみに…！ (2022年8月16日 9時) (レス) id: 9e28345530 (このIDを非表示/違反報告)
なつき(プロフ) - 素敵なストーリーをありがとうございました。新しい作品を楽しみにしています！ (2022年8月16日 1時) (レス) @page50 id: 292579ac7e (このIDを非表示/違反報告)
わさび醤油(プロフ) - とんとんまるさん» 素敵なコメントありがとうございます！とっても嬉しいです。今後のお話もお楽しみに…！ (2022年8月13日 6時) (レス) id: 9e28345530 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わさび醤油
| 作成日時：2022年7月13日 2時
