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「怒られないかな？」と動揺していたわりに、案外Aは乗り気だった。
初っ端から「人の家で何をしているのか」なんてAに聞いたけど、自分の家だと思えと言ったのは他でもないこの家の人間全員だ。
ここは治安が良いし、テラスくらいなら誰も怒らないだろ。
Aが一人で外に出るのはちょっとアレだけど。
一応上にいるジャニヒョンに一言入れてみると、すぐに「いいよ」と返事が来たので、ガラス戸の鍵をあけて外に出る。
AがオレのTシャツをぎゅっと掴みながら後ろを付いてきた。
それがなんだか恐る恐ると言った感じでおぼつかなくて、なんだか昼間の、普段より幼く感じたAと重なって見える。
柵に手を掛けて辺りを見回してから、Aがまた真っ暗な空を見上げた。
「ジャニヒョンも変な感じだった」
「え？」
「こんなに感傷的になるとは思わなかったのにって」
「へえ……」
「Aのせいだとか何とか言ってたけど、ヒョンに何かしたの？」
「私？……なんだろ。何かしたっけ」
「小さい頃の話させてたじゃん。それがダメだったんじゃない？」
「でもジャニさん、結構楽しそうに話してくれたよ」
「うーん、確かに」
「でしょ？」
少し高い柵に置いた腕を枕にして頬を乗せ、Aが「ジャニさんは嫌なら嫌って言ってくれるよ」と笑いながらオレを見た。
同じような格好をして柵へ体重を掛ける。
Aと同じ目線で見上げる月は、どこで見るものとも変わらない。
じゃあAは、何でそんなに熱心に眺めていたんだろう。
いや、何を思って夜空を見上げていたんだろうか。
「ウィンウィニヒョンが、Aはすぐ思い詰めるから気を付けろって」
「なにそれ。あの人、そんな事言ってたの？」
「……オレだってAがそうなる時あるの、まあ知ってたけど？」
「へえ、マークが」
Aがオレを見て少し不思議そうな顔をした。
じっと見つめてくる目線に対抗していると、なんだか自分が今どこにいるのか解らなくなってくる。
「マークは知らないよ。マークは私の事を知らないし、私だってマークの事そんなに知らないのかもね」
「……オレは、そうは思わないけど」
「そうだよ。だって現に私はジャニさんのこと全然知らなかったんだもん。知ってたつもりだったのに」
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せの(プロフ) - よよさん» ありがとうございます！こちらこそたくさん読んでいただけてとっても嬉しいです！最後まであと少し頑張るのでよろしくお願いします〜！ (2021年3月15日 21時) (
レス) id: f4b310de98 (このIDを非表示/違反報告)
よよ - 終わっちゃうの寂しいですが、こんなに良い小説を長く書き続けてくださってありがとうございました。好きすぎて何回も読み返しています。最後まで応援しております！ (2021年3月15日 16時) (レス) id: 736e832086 (このIDを非表示/違反報告)
せの(プロフ) - もさん» もさんありがとうございます〜！長かったようで短か……長い小説もやっと終わりを迎えられることが出来そうでうれしいです！☆ありがとうございます！がんばりま〜す！ (2021年3月15日 15時) (レス) id: 3487bfc826 (このIDを非表示/違反報告)
も(プロフ) - ついに次で最終章なんですね(;_;)凄く大好きな作品なので長かったような短かったような...という少ししんみりした気持ちです(;_;)☆を押すことしか出来ませんがNCTの紅一点、最後の最後まで応援してます！ (2021年3月15日 14時) (レス) id: 7e1d3bac26 (このIDを非表示/違反報告)
せの(プロフ) - mmmabcさん» ありがとうございます！完結！燃え尽きたいです！ (2021年3月15日 8時) (レス) id: 3487bfc826 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：せの
| 作成日時：2021年2月1日 10時
