NCTの紅一点 ８

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「Aさん遅かったね〜」

「チョンロの誘いが急すぎるんだよ。もっと早く言ってくれれば時間作れたかもしれないのに」

「だって母さんが急にクン哥とAさんも呼べっていうから」

「Aを？」

「うん。クン哥だってAさんに会いたいって言ってたでしょ？」

「クンさんが私に？」

「いや、ちが……う事もないけど、Aからお土産たくさん貰ったから何かお返ししないとって言ってただけで」

「なーんだ、そういう事だったの？つまんないね」

「チョンロ……でも、Aはチョンロのお母さんと面識あったんだね」





同じことを中国語でチョンロのお母さんにも聞くと、代わりにチョンロが僕へ説明をしてくれる。


どうやらチョンロのお母さんの妹、つまりチョンロにとって伯母さんに当たる人がこの国へ旅行に来た時、街中で道に迷ってしまったらしい。

そこで運命的に救いの手を差し伸べたのがオフの日に散歩をしていたAだったみたいで、そこから付き合いが始まったのだと言う。


なんだその話、初めて聞いたんだけど。
というかAはいったい何をしているんだ……



チョンロのお母さんから座るように促されたAが、僕とチソンの間に残っていた一席に腰を掛けると、ちょうど入ってきた漢服のウエイターさんが僕たちの分のデザートを配り始める。



Aが来てから一言も話さないチソンを見て、わずかに心が痛んでしまった。


大方の事はドヨンやテン、それにA本人からも聞いているけど、まあ僕の知らない間に面倒なことがたくさんあったらしい。

どうせなら聞きたくなかったとも思うくらいには。もう、たくさん。



メニューを渡そうとするチョンロに首を振り、僕たちに配られたものと同じのをAが一つ注文した。

ご飯は食べないみたいだ。
不健康児め。





「まさか残った席がAのだったとはね」

「僕、絶対断られると思ってた。マクヒョンが今日の夜からまたフライトだって言ってたし」

「知ってて誘ったのか……」


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