ラブリルブラ Ⅱ (ページ20)

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樹Side

広島でライブの途中に見知った顔があるとどう思うか。答えは簡単だ、なんでそこにいるの？っていう驚き。しかもそれが彼女だと余計にそう思う。

慎｢ねぇAいたね！！｣

ジ｢えっそうなの？！｣

高｢全然気づかなかった……樹は知ってたの？｣

樹｢全然知らなかった……｣

ライブも昼夜公演が終わってからなんで言ってくれなかったんだという気持ちと誘えば来てくれたんじゃないかっていう気持ちと、それ以外にもいろんか感情が混ざりに混ざってよくわかんない事になっていた。

広島から東京に帰ってとりあえずAに問い詰めたらなんでかとかも分かるだろう、なんて考えてたらマンションの前までたどり着いていた。

一旦自分の荷物を置いたら急に着信音が鳴り響いた………………紬だ。

樹｢よっす｣

紬｢あ、樹さん。今日は楽しかったです｣

樹｢ほんとびっくりした！来るなら言えよな〜｣

紬｢いや、むしろあんなに席が良いなら言っとけばよかったなぁと思ってまして……てことはAが居たのも知ってますよね？｣

樹｢あーうん、びっくりした｣

紬｢俺が無理やり誘って本人もすっかり忘れてたみたいだったので責めないでください……マジで俺が企画持ち込んで忙しくさせてしまったようなもんなんで｣

樹｢えっ？｣

紬｢いや、Aも言うの忘れてたのやらかしたって結構帰りからずっと話してたんで。もう会いました？｣

樹｢いや、今から会う所だし……｣

紬｢昔Aも言ってたんですよ。樹さんから誘われて忙しいから断ったのすごい悔しくてそこから忙しくならないようにするって。まぁ俺が広島で申し込んでて忙しかったし、なんなら企画手伝ってもらったお礼も込めてるんで！じゃ！｣

そういやAが忙しいって言われてから誘わなかったな……Aがそんなこと考えててくれたとかも知らなかった。
なんかそう考えたらなんでとか問いつめようとしてた気持ちはどこかに行った。

むしろ、Aに感想を聞きたいくらいだ。

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