ラブリルブラ Ⅱ (ページ11)

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ただ、そんな上手くいく日が続くと思ってたけど実際はそうじゃなくて。そんなある日にAと遭遇したんだっけか。

『あれ、田中じゃん。久しぶり〜』

樹「あ、天野じゃん久しぶり……なにやってんの？」

『推薦で大学決まったから資格でも勉強しようかなーって……田中は仕事今日ないの？』

樹「あ、うん。今日はない！」

『ならさ、ちょっと久しぶり話でもしようよ？』

樹「お、いいじゃん！」

休み、なんて嘘。
たまたまあったのがズル休みした日だったから、バレたくなくて、見栄を張って嘘をついてしまった。
たまたま近くのカラオケが空いてたからそこに行くことにした。

『なんか久しぶりだな〜中学3年の卒業式以来じゃない？直接会って話すとか緊張しちゃうわ』

樹「いや、そんな感じ全然しねーけど」

『案外緊張するのかもしれないよ私……』

樹「え、そうなの？」

『この前お兄ちゃんと仲の良い実況者さんと会った時に顔とか見ずにZoom人狼なら話せたのに直接だと喋れなかったんだよね〜』

樹「なんか天野も変わったんだな〜」

『そりゃあれから3年も経ってるし変わるよね〜』

カラオケで歌わずにずっと最近の話をしていた。
3年前の頃と変わらず、なぜかその時からAと話すのには安心感があった。だからこそ俺は話すことにした。

樹「俺、今日実はズル休みしたんだよね」

『……あっそうだったの？』

樹「いろいろあってさ、俺もういくのしんどいなって」

『……そっか』

樹「何もかもが嫌で、学校も事務所も行きたくなくてたまたま仕事入ってる日じゃ無かったからズル休みして、続けるのもしんどいなってさっきからずっと考えてたんだよね」

Aはずっと俺の話を聞いてくれた。
今とかわらず俺が紡ぐ言葉を遮らずに聞いてくれて、そんなAの姿に俺はどんどん弱音が出てきてしまった。

『…………私は田中のこと応援してるよ』

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