視えてます。【wrwrd】

さんじゅうよんわ　青視点 ページ35

目が覚めると、見慣れない部屋に眠っていた。

「……へ!?」

ガバッと勢いよく起き上がると視界がぐらつく、側の棚に置いてあった眼鏡を付けて、今の状況を把握する。
昨日何やらかしたんだ俺!?

混乱する俺を他所に、下から声が聞こえた。

「ん〜……ぁいお…やい」

「なんて?」

声の主を見れば、昨日のことが思い出される。そうだ、母さんが…

……コイツが助けてくれた…俺、酷いこと言うたのに…何も怒らんで、仕方ないですまして…少なからず傷ついとるはずやのに…

「…ごめん…」

手当された足を見ては、俺を安心させるように笑いかけながら治療してくれるこの子の顔が思い浮かぶ。
…シッマが言うてたんは、間違ってへんかった。俺一人が突っ走って、困らせて、傷つけた。最低や…

「んん…ぁ…?……あ!!先輩!!起きたんですね!!お腹空いてます?カレーありますよ!!あ、カレー嫌いだったりします?それより今日は忙しくなりますからね!頑張ってください!!」

起きたと思えばズイッと寄ってきてよく喋る。朝から元気すぎるやろ…

「お、おん…えと…Aちゃん、やっけ」

「!はい!」

名前を呼ぶと嬉しそうに笑いかけてくる彼女、どうだろう…もしかしたら、腹の中では嫌われてたりとか…

女の子にこれ程好感度を気にしたことは今までなかった。彼女は気に指定なさそうだが…

「怒って…る…?俺が、話もちゃんと聴かんと、酷いことばっか言うてたん」

彼女はぽかんとして、困った様に笑った。

「…ううん、怒ってないよ。勘違いなんて誰にでもあるし、気にすることでもないし!
だから、
そんな顔しないでくださいよ、私まで悲しくなります。」

「っ…なんでそんな優しいん?普通怒るやん!普通傷つくやん!!なんで、なんで…?」

ああ、また困らせてしまう。涙は溢れないものの自分の顔が酷いことになっているのはよくわかる。

「…あー……私、人の感情とかに敏感なんです。初めてコネシマさんと貴方に責められた時、貴方が私を怒鳴った時、ずっと、貴方(猫)はコネシマさん(チワワ)を守る様にしてた。

あなたは悪い人じゃないって分かってるから、私が勘違いさせてしまう言い方をしたのは事実だし、私が悪いです。これに関しては、えへへ、ごめんなさい」

違う、俺が悪い、シッマの言う事も、シャオちゃんの言う事も、禄に聞かなかったは俺なのに

「俺だって、悪い。ごめん…」

彼女はまた困った様に笑って、喧嘩両成敗ですねって言ってくれた。









…やばい…かも…

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