視えてます。【wrwrd】

いちわ ページ2

Aは教室につくと、色々な動物を見る。
今年は背の高いキリンが目立つクラスだ、憑かれてる子は背が高いわけでもなく、穏やかな可愛らしい子、きっと人気者になるだろうなと見ている。

「あ、おはよーAちゃん！」

「おはよー皆子！」

彼女、百合川皆子は入学式で席が隣で仲良くなった。憑いてるのは子鹿、警戒心が強いけど、慣れると大胆に好いてくれるのでわかりやすい方の動物だ。

「そーだ、生徒会の皆さんにもう会った?私まだ会ってなくて…どんな人たちなんやろうね〜」

「私も早くあってみたいな!どんなど…人たちかめっちゃ気になる!」

「だよね〜!」

どんな動物なのかめっちゃ気になる!!!

皆子と話で盛り上がっていると、廊下の方から黄色い悲鳴が上がった。
キャーっていう甲高い悲鳴
皆子と私は気になって廊下に出ると、周りからいろんな声が聞こえる。

「みてみて!生徒会のコネシマさんとシャオロンさんよ!」

「コネシマさんのあの冷たい目…!まるで気高い狼のよう…!」

「シャオロンさんだって!まさに龍の様な圧倒される雰囲気よ!なんて素晴らしいのかしら…!」

そんなうっとりとした乙女の評論が飛び交う中、堂々と廊下を歩く二人の男、確かにイケメンが二人、金髪に青目の冷たい雰囲気のイケメンと中性的な顔立ちだけど背丈はしっかりと男のイケメン、二人共

私は二人の動物を探し周りを見渡した。
飛んでるかな?泳いでるかな?歩いてるかな?

ワクワクしながら彼らの足元を見ると、そこには2つの小さな影が……




"気高い狼のよう…!"

"龍の様な圧倒される雰囲気よ!"



フリフリと振られる色の違う2つのしっぽ


チワワとポメラニアン…だと…!!??

それはそれはキレイな二度見をした。
何なら三度見した。

え…気高い狼(小型犬)と龍(小型犬)ってこと…??

冷たい目どころかキュルンキュルンのまんまるお目々のチワワと
圧倒される雰囲気なんて見つからないようなふわふわとしたフォルムのポメラニアン

あたかも知ってはいけない事実を知ってしまったモブ兵の様に私はそそくさと教室へ戻る。
ちらりと見えた皆子は憧れの眼差しを向けている。

ｽｰｯ…夢壊したくねぇ…!!!


いや
いやまだ生徒会は8人いる。
その人達が神獣レベルを引き連れていますように…!!

Aは教室で一人拝んだ。



それを誰かに見られてるとも知らずに









「…うわ、拝んでる奴おる…」

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