ヤンデレな彼氏を愛してしまった少女の××*IV*【名前変換オリジナル】

ダイスキ_184* ページ50

貴女side


突然校舎中に響き渡る大きな音が鳴った。



何の音なのか理解するのに少し時間がかかった。



答えは避難訓練で年に1度か2度鳴らす、あの音だ。防音の放送室と言えど警報はしっかり聞こえた。



だけどどういう事？本当の火事か災害が起こったのだろうか？



ドアの方からくるりと颯翔くんの方を見る。



そして悟った。



そうか、奏斗……！奏斗が助けてくれたんだ！



なぜ分かったかと言うと、それは颯翔くんの表情が酷く悔しげであったからだ。



颯翔くんにこんな顔をさせられるのは一人しかいない。



貴｢ねえ颯翔くん！出ないと大変だよ！逃げよう！｣



不本意そうだが颯翔くんもここまでらしかった。大人しく入口の鍵を解錠し始めた。



颯翔｢鍵を開けました。これで出られます。さ、早く。｣



扉を開いて私を外へ誘導する。



薄暗い教室に居たせいで目が暗闇に慣れていたため、外に出た瞬間、明順応が起こった。



今も警報は鳴り続けている。



貴｢なんだろう？火事かな？｣



颯翔｢いや、音はここ旧校舎でしか鳴っていないので恐らくは誤作動でしょう。誰かが誤って押した、その誰かは一人しかいませんけどね。｣



言い方は皮肉だが勿論颯翔くんも気づいている。多分私よりも早く察していたのだろう。



外が騒がしくなってきた。警報の音を聞きつけた教師や生徒が集まってきたのだろう。



私と颯翔くんはそっと近くの教室の窓から抜け出し、誰にも見つからず旧校舎の裏に出ることが出来た。



奏斗は…。



と辺りを見回していると、建物の角から1人の影。



私と颯翔くんの前に顔を出したのは、ずっと会いたくて触れたくてたまらなかった彼だ。



もう大丈夫だ。奏斗が来てくれた。私頑張ったんだよと視線を送る。



それに応えるように彼も優しい眼差しを向けてくれたのであった。


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ヤン彼4、お読み下さりありがとうございました！続編出来ましたのでお知らせします！

恒例の表紙絵アップ！これが1番最初に書いたので古いです笑






ラフ絵になると顔が変わる浅野氏。ｽﾐﾏｾﾝ!
ヤン彼5の表紙も誠意作成中です！そっちは絵柄安定させますので…！
最後に評価を押して行ってやってください〜！

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