ダイスキ_183* ページ49
颯翔side
颯翔｢そう、僕は貴女達に関わってしまった。だから途中で投げ出すことは出来ないんです。先輩は恐ろしいです、なんでもお見通しですから僕がAさんをどんな手段で連れ去ろうと駄目なものは駄目です。｣
そう来るならば今度は正論を正面から打つ。
颯翔｢だからこういう強硬手段に出たんです。それしか先輩の不意をつく方法がなかったから。｣
女は黙った。僕の正論を言葉で返せないんだろう。無理もない。本当の正論だから。
颯翔｢Aさんがそれでいいなら先輩と愛し合っていけばいいと思います。だけど、まだ子供ですよ？将来について考えていますか？進学まではまだしも就職まで同じに出来ますか？働けば四六時中一緒に居るなんて出来ません。｣
一気に畳み掛ける。
颯翔｢Aさんと二人きりで話すのは今日が最後のつもりです。これ以上は先輩が許さないでしょう。僕も危険ですから。だから言うべきことを言わせてもらいました。｣
するとようやく相手が口を開いた。
貴｢確かに……そうなのかもしれない。颯翔くんの言っていることは間違っていないね。今はまだしもこれから先、いつ何時も奏斗が守ってくれる環境にはいられない。｣
やっぱり。ようやく折れたか。少し苦戦したけど僕の勝ちだね。
先輩と貴女の恋愛なんてどうでもいい。心底興味なんてない。
僕の興味があるのは先輩の強く結んだ愛がどれほどのものかを見定めること。どうすれば愛が縺れるかを知りたかっただけ。
それを知るためには嘘をつくし人を騙す。罪悪感の感情はとうの昔に消え去っている。
もう一息でこの女はダメだろう。
先輩も見る目がないですね。先輩の結んだ愛は想像よりも緩かったです。呆気ないものですね。
さあ、終わりです。
颯翔｢Aさんがそれに気づいてくれてよかった。もう手遅れだと思ったこともありましたがやっぱりまだ大丈夫です。｣
貴｢わたしは、どうしたらいいのか分からないよ。｣
颯翔｢まずはゆっくり先輩から距離を置きましょう。自然に。焦ってはダメですよ。刺激しないように、ゆっくり行けば逃げられます。さあ………｣
と僕が言うと同時に、
ジリリリリリリリリリリリリ
大きな音で旧校舎の警報が鳴った。
颯翔｢！！？｣
貴｢えっ！？｣
さすがにこれには驚き一瞬思考が停止した。
……なるほど、奏斗。これで強制的に僕達をこの教室から出そうと言う気か。くそっ！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 115人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヤンデレ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
天使系殿厨ちゃん(笑) - はい！頑張ります！！イラスト本当に本当にありがとうございました！！感謝です！！ (2019年11月28日 15時) (
レス) id: a7676729d0 (このIDを非表示/違反報告)
ねん@更新不定期(プロフ) - 天使系殿厨ちゃん(笑)さん» わわー！！遅くなってごめんなさい！テスト…そんな時期ですか！！頑張ってください！イラストお気に召されたかわかりませんが、リクエストありがとうございました！ (2019年11月28日 12時) (レス) id: a8abc220a2 (このIDを非表示/違反報告)
天使系殿厨ちゃん(笑) - わーーー！可愛すぎた！！テスト勉強で全然読めてなくて、たまたま来てみたらまさかの！イラスト最高過ぎです！！ありがとうございます！ (2019年11月24日 13時) (レス) id: a7676729d0 (このIDを非表示/違反報告)
ねん@更新不定期(プロフ) - 日名無 りんさん» お待たせしました！！拙いものですが読んで頂けて嬉しいです！いつも読んでくださっているお礼になったかは分かりませんが、宜しければ今後ともお付き合いくださると嬉しいです！ (2019年11月23日 21時) (レス) id: a8abc220a2 (このIDを非表示/違反報告)
日名無 りん(プロフ) - うわあああ！！最＆高です！ありがとうございます！ありがとうございます！！！奏斗君大好きだぁあああ！ (2019年11月23日 17時) (レス) id: 0a69449343 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ねん | 作成日時：2017年12月8日 14時
