ダイスキ_176* ページ39
貴女side
颯翔くんに連れられた先は、3年の私ですら数回しか立ち入ったことのない旧校舎だった。
当然校舎内には誰もおらず、昼休みでにぎわう声がそこかしこから聞こえてくるのにどこか遠くに感じるほどだった。
更に奥へと進む。
貴｢こ、こんなに遠くまで来なくてもいいんじゃないかな？それにもう誰もいないし手、離して……。｣
教室を出た時から颯翔くんは私の手首を掴んだままだ。本校舎から出るまでは、人も多くはぐれる可能性があった為掴んでいるのかと思ったが、誰もいない旧校舎に入っても掴まれた手を放す気配がなかった。
そして何ということだろうか、本校舎から出た直後颯翔くんが私の話に全く返事をしなくなったのである。
無言でどんどんと奥へ進む。まずい。
頭の中でこれは危ないと警鐘が鳴る。
だが子供といっても中学生。一番の成長期であって男女の体格差が著しく現れる年齢だ。掴まれた手は私の力では引きはがせそうもない。いつのまにかかなりの力で掴まれていたのだ。
手首の痛みに耐えながら歩いているとようやく足が止まった。目の前の教室、どうやらここへ入るらしい。
そして私は奏斗への目印としてドアの少し横にヘアピンをバレないように落とした。
中は薄暗く、少し埃っぽい臭いがした。
教室の扉と鍵を閉められ、更に一番奥まで誘導される。
そして颯翔くんは壁にもたれて腰を下ろし、ようやく口を開いた。
颯翔｢ドアの鍵は特殊な構造でして、さっき僕が閉めたのと実はもう一つ鍵があり僕じゃないと開けられません。そしてここは放送室。完全防音で仮に大声で先輩に助けを求めてもその声は外には届きません。｣
つまり閉じ込められたのだ。それも絶望的なシチュエーションで。
心臓がうるさく鳴り、顔から血の気が引いていく。
貴｢ど、どうして？そこまでしなければならない話って、何？｣
目の前の男が怖い。声が震えた。
颯翔｢……言ったでしょう？僕は先輩から貴女を守りたいって。昨日の話を聞いて先輩が怖くなったんでしょう？貴女は僕の言うとおりにすればいいんです。｣
颯翔｢先輩たちの"愛"なんて所詮その程度だったんですよ。本当はお互い愛してなんかないんです。そういう風に思っていただけ。証拠に、先輩は追って来ず貴女を僕と二人きりにさせてしまった。そうでしょう？｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 115人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヤンデレ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
天使系殿厨ちゃん(笑) - はい！頑張ります！！イラスト本当に本当にありがとうございました！！感謝です！！ (2019年11月28日 15時) (
レス) id: a7676729d0 (このIDを非表示/違反報告)
ねん@更新不定期(プロフ) - 天使系殿厨ちゃん(笑)さん» わわー！！遅くなってごめんなさい！テスト…そんな時期ですか！！頑張ってください！イラストお気に召されたかわかりませんが、リクエストありがとうございました！ (2019年11月28日 12時) (レス) id: a8abc220a2 (このIDを非表示/違反報告)
天使系殿厨ちゃん(笑) - わーーー！可愛すぎた！！テスト勉強で全然読めてなくて、たまたま来てみたらまさかの！イラスト最高過ぎです！！ありがとうございます！ (2019年11月24日 13時) (レス) id: a7676729d0 (このIDを非表示/違反報告)
ねん@更新不定期(プロフ) - 日名無 りんさん» お待たせしました！！拙いものですが読んで頂けて嬉しいです！いつも読んでくださっているお礼になったかは分かりませんが、宜しければ今後ともお付き合いくださると嬉しいです！ (2019年11月23日 21時) (レス) id: a8abc220a2 (このIDを非表示/違反報告)
日名無 りん(プロフ) - うわあああ！！最＆高です！ありがとうございます！ありがとうございます！！！奏斗君大好きだぁあああ！ (2019年11月23日 17時) (レス) id: 0a69449343 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ねん | 作成日時：2017年12月8日 14時
