ダイスキ_175* ページ38
貴女side
昼休みに差し掛かってすぐ、颯翔くんは私たちのクラスに現れた。用があるのは私らしい。
奏斗は朝言っていた。
彼「あいつのことだ、予想外のことをしてくる可能性がある。今日だけは警戒を怠らないようにするために、休み時間は少し離れておこう。……大丈夫、ちゃんと目の届く範囲にいるから。」
本心では触れることのできない距離は耐え難かったが、作戦のためだということは私も理解している。彼の意見に従った。
結果を言えば、奏斗の予想は当たった。このタイミングで颯翔くんがクラスに来ることは予想外だったが、私と奏斗に物理的な距離があったことを颯翔くんに見られたのは作戦上うまくいったと私は思った。
颯翔くんが声をかけてくる。
颯翔「Aさんこんにちは。あの……、この間のことでちょっと話したいことがあって来たんですけど、今時間ありますか?」
心臓がドキンと鳴った。
貴「……ここでは話せないことなの?」
あくまでも私は颯翔くんの本性を知らないことになっている。動じないよう、慎重に答えなければ。
心を読むことに長けた相手に、うまく演技でごまかせるだろうか。
颯翔「はい。できれば二人に……。」
二人きりになって話したいということだった。きっとまた私に何か吹き込むのだろう。正直とても不安だ。
でも私は颯翔くんに何の疑いも持っていない昨日までの自分を演じなければいけないのだ。ここは彼の言うとおりにするべきだろう。
チラリと奏斗のほうを見る。
奏斗は私と颯翔くんが見えているが間に入ってこようとはしない。本来なら私から颯翔くんを引き離し私を守ろうと真っ先に来るだろう彼が、颯翔くんの危険さを知っている彼が、ここで出ていかないことに大きな意味がある。
私たちの関係を自分の言葉で乱したのだと颯翔くんに思わせる為だ。
主導権を颯翔くんに渡したつもりで、それを本当は奏斗が持っているという構図を作る。
奏斗の顔を確認し、私はおとなしく颯翔くんに連れられていく。
これでいい。必ず奏斗は私たちの後を追うはずだから。
私は髪を触るふりをして、付けていた小さな花のデザインのヘアピンを取って拳にしまった。
貴「いったいどこまで行くの?まさか、校舎を出るの?」
彼に手を引かれ、連れられて行く先は校舎の外であった。
颯翔「あの校舎は人が多いですし。万が一……ですよ。」
私は彼が不気味でならなかった。
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天使系殿厨ちゃん(笑) - はい!頑張ります!!イラスト本当に本当にありがとうございました!!感謝です!! (2019年11月28日 15時) (レス) id: a7676729d0 (このIDを非表示/違反報告)
ねん@更新不定期(プロフ) - 天使系殿厨ちゃん(笑)さん» わわー!!遅くなってごめんなさい!テスト…そんな時期ですか!!頑張ってください!イラストお気に召されたかわかりませんが、リクエストありがとうございました! (2019年11月28日 12時) (レス) id: a8abc220a2 (このIDを非表示/違反報告)
天使系殿厨ちゃん(笑) - わーーー!可愛すぎた!!テスト勉強で全然読めてなくて、たまたま来てみたらまさかの!イラスト最高過ぎです!!ありがとうございます! (2019年11月24日 13時) (レス) id: a7676729d0 (このIDを非表示/違反報告)
ねん@更新不定期(プロフ) - 日名無 りんさん» お待たせしました!!拙いものですが読んで頂けて嬉しいです!いつも読んでくださっているお礼になったかは分かりませんが、宜しければ今後ともお付き合いくださると嬉しいです! (2019年11月23日 21時) (レス) id: a8abc220a2 (このIDを非表示/違反報告)
日名無 りん(プロフ) - うわあああ!!最&高です!ありがとうございます!ありがとうございます!!!奏斗君大好きだぁあああ! (2019年11月23日 17時) (レス) id: 0a69449343 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ねん | 作成日時:2017年12月8日 14時