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お前だれ。そう言って俺を指差す男。人に指を向けてはならないと親に教わらなかったのか。ただ、あまりにも細く整った指ならば向けられて不快になる人間も限りなく少なそうなので、考えるのをやめた
しかしよく見ればその指は俺ではなく＿＿＿＿＿いや、俺で合っているのだけど、細かく言えば俺の胸元にある消えかけたネームプレートを指していた
つまり彼が聞きたいのは、俺の身元とかの”誰”ではなく、ただ単に俺の名前の”誰”であることだと分かる
確かに、所々とはいえ割と消えかかっているネームプレートじゃ俺の名前を割り当てるのは困難だろうか。まぁ、名字は思いの外安直なのだけれど
なんて事を考えている俺の長い思考回路に痺れを切らしたのか、男は再度、しかも先程より幾分強めに言った
「誰っつってんの」
男は指より少し長い爪をネームプレートに当て、カチカチと鳴らしてくる
そしてご本人の表情といいますと、眠いのか瞼は半開きだが、整った眉毛の歪みからは苛立ちを感じられる
そもそも名乗るなら相手からでは？そう思ったが、これ以上待たせれば、凶暴な男の事だ、痛い目を見てしまうかもしれなくて、何だか癪だけど仕方なく折れた
『青山A……だけど』
相手からすれば鼻で笑われそうな、何とも平々凡々な名字である
しかし相手はそんな平凡な名前を聞いた途端、普通とは思えない程表情を曇らせた
「………………は」
眠たげな瞼は大きく開かれ、濁り一つない美しい瞳に閉じ込められた動向が大きくなったのが見えた
彼はゆっくりと起き上がり俺の顔を見て、その綺麗な手を近づける。それと同時に、俺は咄嗟に起き上がろうとする
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿刹那
『い”っ………………！？』
何故か俺の視界は一回転したかと思えば、背中に強烈な痛みが走った
母さん、俺は人を見た目で判断するような人間にはならないと誓うよ。だってこんな綺麗な男に突き飛ばされたんだから
『……お前かよ、人のもの取りやがって』
そう吐き捨て俺を見下ろす男の目は憤怒に満ち溢れ、人ひとりは殺してしまいそうな勢いだった
俺が唖然としている中男は出ていき、保健室のドアを乱雑に閉めたのか、大きな音が聞こえたと同時に俺は我に帰る
『意味わかんねぇ………』
ぽつりと呟いた俺の声。それは誰も居ない保健室に吸い込まれた
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遊奈 - 最高！更新待ってます。頑張ってください。もう神作ですね。(語彙力が乏しくてすみません…) (2019年7月30日 22時) (
レス) id: 7992c8abe9 (このIDを非表示/違反報告)
白餅はるた - コメントありがとうございます！更新遅くなりすみません (2019年6月2日 9時) (レス) id: 892c3855e3 (このIDを非表示/違反報告)
まこと - ストーリーがとても好みで、話の展開に惹かれる作品だと思います。更新頑張ってください。 (2019年3月10日 14時) (レス) id: fb4892608a (このIDを非表示/違反報告)
白餅はるた - 更新遅くなりすみません。コメントありがとうございます。白餅にとっては楽しんで読んでいただける読者様が神様ですので。これからも楽しんで頂けたら幸いです (2019年2月10日 0時) (レス) id: e79e389db8 (このIDを非表示/違反報告)
いぇすいぇす - なんでしょう そうですね控えめにいって神だと (2019年2月1日 17時) (レス) id: 078e36b697 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白餅はるた | 作成日時：2018年11月26日 9時
