2. ページ3
「だから、王子は今寝てんの。用があるんならあたし等が伝えてやるから、さっさとどっか行けよ」
『いや、でも俺怪我を……』
「そんなん家に帰ってちゃちゃーっと手当すりゃいいじゃん。お前のちっさい怪我より王子の睡眠のほうが大事なの、考えなくても分かるでしょ？」
『せめて消毒だけでもさせ＿＿＿』
「まじしつこいんだけど。うっぜーな！」
そう言って、保健室前にあった机を脅しと苛立ちをぶつけるかの様に蹴る女。その音が安眠妨害にはなるんじゃ……そう言いかけたが、今度は拳がこちらに飛んできそうなのでやめた
事は一時間前に遡る＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
やっとのこさ授業が終わり、眠い眠いと項垂れつつも噂の王子とやらに睡眠の秘訣を教えてもらうべく保健室へ向かう………前に、借りてた本の返却日が今日だったことを思い出し、踵を返した
数日前、本を読んでいたら寝落ちしていたと友人が仰るものだから試しに借りてみた。面白いと夢中になって逆に寝れないたろうから、つまらなそうなものを数冊
元々本はあんまり読まない。漫画は好きだけど、それは買って家に置いておきたい派だし、高校にはあんまり面白い漫画もなかったから借りる事なんて殆どなかった
その日、俺の図書カードには初めて印が押されるんだなと思っていた
『え』
しかし印が押されたのは上から二番目、2個目という、なんとも裏切られた結末だった
あれ、俺なんか本借りてたっけ。でもそんな覚えないような。そう思い一番目の印が押されている日付を見ると、一年の初め辺りに何か借りていたらしい
内容は疎か、借りていた事さえ忘れていた本がどんなものか気になって探したけど、結局見つからなかった。今思えば委員の人に聞けばよかった話だ
そんな不思議な体験をして借りた本を返し終えた俺は、いざ保健室へ向かわんと出陣した
流石に理由もなく保健室に入るのは怪しすぎるから、今朝教科書で切ってしまったこの俺の軟弱な指を理由にしよう。そう思い保健室前へ辿り着いたのは良いが、何やらギャル強めの女子生徒数人がたむろっているではないか
気にせず入ろうともしたが、保健室の入り口に座られているのでどう足掻いてもと入る事が出来ない
『あの、保健室入りたいんだけど……』
そう言うと彼女達はこちらを凝視して言ったんだ
「放課後だし、保健室行くぐらいなら家で手当すれば？」
ここから冒頭へ戻る
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 254人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヤンデレ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
遊奈 - 最高！更新待ってます。頑張ってください。もう神作ですね。(語彙力が乏しくてすみません…) (2019年7月30日 22時) (
レス) id: 7992c8abe9 (このIDを非表示/違反報告)
白餅はるた - コメントありがとうございます！更新遅くなりすみません (2019年6月2日 9時) (レス) id: 892c3855e3 (このIDを非表示/違反報告)
まこと - ストーリーがとても好みで、話の展開に惹かれる作品だと思います。更新頑張ってください。 (2019年3月10日 14時) (レス) id: fb4892608a (このIDを非表示/違反報告)
白餅はるた - 更新遅くなりすみません。コメントありがとうございます。白餅にとっては楽しんで読んでいただける読者様が神様ですので。これからも楽しんで頂けたら幸いです (2019年2月10日 0時) (レス) id: e79e389db8 (このIDを非表示/違反報告)
いぇすいぇす - なんでしょう そうですね控えめにいって神だと (2019年2月1日 17時) (レス) id: 078e36b697 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：白餅はるた | 作成日時：2018年11月26日 9時
