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『いやお前何してんの』
女じゃあるまいし、そんな行動されても微塵もときめかない。寧ろイケメンにされる事によって俺の心に傷が出来た気がする
「んー…」
目を覚したとはいえ、完全に脳が覚醒してるまでには至ってないらしく、返事と言うには微妙な声を出して俺を見つめる
『…………っ』
好意がある訳でもないのに、この距離でこれ程に美しい人間から見つめられるのだ。嫌でも胸が高鳴ってしまう
この状況が居た堪れなくなった俺は、早く退いてくれ。そう言おうと俺は口を開く
『早く____』
「眠れる方法、知りたい?」
俺の言葉を遮る男は、不敵な笑みを見せて言う
そりゃあ知りたい。知りたいに決まってる。元々はその為にコイツと関わったんだ
「知りたいなら、明日もここに来てよ」
ここに来る事、誰にも話さないで。男はそう言うと、形の良い人差し指を俺の口元にくっつけた
その時の表情が何とも色めかしく、同性なのにそう見えてしまう俺の脳は、きっと麻痺でもしているのだろう。そうさせたこの男の美しさが異常だと、改めて認識した
『……本当だろうな』
誰にも言うなと釘を刺されたのだ。もしかすると、俺と友人の仲に根を持って、何か仕掛けようとしているのかもしれない
そんな半信半疑な俺に、男は何とも眩しい笑顔で言うのだ
「嘘だと思うなら、来なければ良いよ」
綺麗な顔をして姑息な事を言う男をみた俺は、思わず顔を顰めた
その後あっさり開放され、現在帰り道
太陽が隠れた空は既に薄暗く、夕方より肌寒い風が横切る
『……はぁ』
帰ってもどうせ眠れない。若干欝気味な俺は、ため息を吐いて家のドアを開いた
_______________________
俺は眠るのが嫌いだ
目を閉じれば、その度に大切な人を失う
何度も、何度も何度も何度も
眠る度に見てきた光景だが、慣れる事もなければ変わる事もなかった
あぁでも、今日だけは違ったんだ
俺の大切な人が生きていた。代わりに誰か死んでいたけど、そんな事はどうだって良い
大切な人が生きてさえいれば、それで良い
そういえば、俺の大切な人は死に顔……と言っても、顔も何もかもぐちゃぐちゃで原型なんか残ってなかったから見えなかったのだが、
「___」
アイツの
________生きてた時の顔が、分からない
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遊奈 - 最高!更新待ってます。頑張ってください。もう神作ですね。(語彙力が乏しくてすみません…) (2019年7月30日 22時) (レス) id: 7992c8abe9 (このIDを非表示/違反報告)
白餅はるた - コメントありがとうございます!更新遅くなりすみません (2019年6月2日 9時) (レス) id: 892c3855e3 (このIDを非表示/違反報告)
まこと - ストーリーがとても好みで、話の展開に惹かれる作品だと思います。更新頑張ってください。 (2019年3月10日 14時) (レス) id: fb4892608a (このIDを非表示/違反報告)
白餅はるた - 更新遅くなりすみません。コメントありがとうございます。白餅にとっては楽しんで読んでいただける読者様が神様ですので。これからも楽しんで頂けたら幸いです (2019年2月10日 0時) (レス) id: e79e389db8 (このIDを非表示/違反報告)
いぇすいぇす - なんでしょう そうですね控えめにいって神だと (2019年2月1日 17時) (レス) id: 078e36b697 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白餅はるた | 作成日時:2018年11月26日 9時