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『は、なんだよ……っ!離せ、って!』
「馬鹿だなぁ、そんな簡単に騙されるとか」
透明感ある綺麗な声で男はそう言うと、俺を羽交い締めにして、手に持っているカッターナイフを首元に突き付ける
なんだこれ、まるで犯罪者じゃないか。冗談だよな?そう思ったが、男は俺の心の中が読めるんだと言わんばかりにカッターナイフの刃先を首元に押し付ける
「俺は本気だから。今すぐにお前を殺す事だって出来る」
「何してんだお前……!」
友人の声を無いものとした男は、持っているカッターの刃先を下へと流す
『…………は、まじか……』
気持ち悪い感覚が首元を襲い、その後びりびりとした痛みが来る。きっと血が出ているのだろう
「なぁんでコイツなのかな〜?憎いなぁ。腹立つなぁ。殺してぇなぁー…」
『お前、なんなの……頭おかしいんじゃねーの……』
何だコイツは。綺麗な見た目に騙されるなとはよく聞くが、これは酷すぎる
「離せって!」
何時もは怒る事のない友人でもこの形相だ。しかし男は悪びれもせずに、淡々と話す
「やぁーだ、だって離したら俺が一人になっちゃう。寂しいなぁ」
にっこりと笑うその姿は、女子からすればため息が出るほど美しいのだろうが、如何せん顔とやってる事が合ってない
「でも俺はこんなちんちくりんよりお前の方がいーの。お前じゃなきゃだめなの。分かる?」
身長が殆ど変わらない奴にちんちくりんと言われるのは癪だが、まぁ足の長さとか諸々違うから言い返せない
「だからさ、ねぇ。コイツは開放するから。こっちに来てよ。ずっと一緒にいよーよ」
俺に話しかけてない事はわかっているのだけど、どろどろに甘い声色が耳元でする訳だから、ゾクリと背筋が変な感覚に襲われる
「お前さぁ、そろそろ他の友達も作りなよ。何で一人しか選ばないかなぁ……」
「そりゃ、俺の理想は一人でいーから。一人しか要らない」
見た目はまだしも、ここまで性格が捻くれていると友達も作れないのだろう。友人は優しいからーみたいな所もあるけど、優しすぎると変な奴が付いてくるって話は本当だった様だ
『いや、俺が何とかするし、帰っていいよ』
そう言うと、友人は呆れた顔をする
「Aまで馬鹿になったら俺困るんだけど……」
『俺は正常だってば。ただコイツと話したい事が出来ただけだし』
「……俺は話したくないんだけど」
元々は眠る方法を聞くために関わったのだ。強ち間違いではないし
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遊奈 - 最高!更新待ってます。頑張ってください。もう神作ですね。(語彙力が乏しくてすみません…) (2019年7月30日 22時) (レス) id: 7992c8abe9 (このIDを非表示/違反報告)
白餅はるた - コメントありがとうございます!更新遅くなりすみません (2019年6月2日 9時) (レス) id: 892c3855e3 (このIDを非表示/違反報告)
まこと - ストーリーがとても好みで、話の展開に惹かれる作品だと思います。更新頑張ってください。 (2019年3月10日 14時) (レス) id: fb4892608a (このIDを非表示/違反報告)
白餅はるた - 更新遅くなりすみません。コメントありがとうございます。白餅にとっては楽しんで読んでいただける読者様が神様ですので。これからも楽しんで頂けたら幸いです (2019年2月10日 0時) (レス) id: e79e389db8 (このIDを非表示/違反報告)
いぇすいぇす - なんでしょう そうですね控えめにいって神だと (2019年2月1日 17時) (レス) id: 078e36b697 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白餅はるた | 作成日時:2018年11月26日 9時