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弐-26 ページ32

「あぁ、こんなに沢山…っ」

今日は雛鶴さん、まきをさん、須磨さんが初めて街に遊びに連れて行ってくれた

着物や簪を買ってくれると言って連れていってもらったけど、着物は五着、簪も二つ、それから化粧品も買ってもらった…

その後に甘味処巡りをして、お腹いっぱい

皆さんは気にすることないって言ってくれたけどさすがに申し訳ないな…

買ってもらったものを一旦全て畳に下ろすと、必要最低限のものしか置いてなくて質素だった部屋の雰囲気が一気に華やかになった

それぞれを箪笥(たんす)や棚に片付けていると、須磨さんがやって来た

「Aちゃん、いい事思いついたんだけど…天元様が帰って来る前に、お化粧して着物も来てみませんか?!」

「須磨がどうしても天元様を驚かせたいみたいでさ…」

興奮気味の須磨さんの後ろから、眉を下げたまきをさんが顔を出した

「え、いいんでしょうか…?」

今日は鍛錬もしてないのに…

「そもそも天元様が今日のことを提案してくださったんだ。Aがお洒落しているのを見たらきっと喜ぶよ」

「何しろ派手好きな人だし!」

「さ、始めましょ!」



それからしばらくすると、師範が帰ってきた

「ただいまー」

「おかえりなさいませ天元様ぁ!!」

大きな足音を立てて興奮気味に須磨さんが玄関へ走っていく

「ほら、A」

「は…はいっ」

まきをさんに背中を押され、私も玄関へ向かう

「Aちゃん、本当に別嬪さんよ」

「み、皆さんのお陰ですよ」

三人は私にお化粧してくれて着物も着つけてくれて、髪まで結ってくれた

血色感のある肌色の白粉、緋色の口紅、桃色の頬紅を頬と目尻にしてもらって、髪も後ろでまとめて緩くお団子にしてくれた

着物は橙色がかかった桃色の着物で、秋らしさを感じさせる色合いだ

この姿で師範に会うのはなんだか緊張するなぁ…

「お帰りなさいませ、師範」

「…」

師範が突然固まった

かと思うと、ニカッと笑って、

「お前!随分と派手な女になったじゃねぇか!!」

そう言って私の背中を叩いた

って、あれ、派手だった?

「ふふ、天元様は褒めてくださってるのよ」

「いやーどこに出しても恥ずかしくないぜ!!自慢の娘だ!!」

私はいつから師範の娘になったのでしょう…?

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みやびりじゅ(プロフ) - 嬉しいです、ありがとうございます!頑張ります! (2022年11月5日 22時) (レス) id: eaba6d63f6 (このIDを非表示/違反報告)
七星 麗華 (ななぼし れいか) - 面白かったです!!更新楽しみに待っています!!! (2022年11月5日 17時) (レス) @page39 id: 50853c9852 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みやびりじゅ | 作成日時:2022年1月21日 21時

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