検索窓
今日:18 hit、昨日:54 hit、合計:114,492 hit

壱-4 ページ4

「…ということがあったんです。私、流石にお節介すぎたと思いますか…?」

桑島さんとの夕食中、私は先刻のことを全て話した

「Aが良かれと思ってした事じゃろ?違和感があるのなら目を逸らさず行動した方が良い。人生、その方が身の為じゃ。覚えとけ」

「そうなんですか、しっかり胸に刻んでおきます!」

味噌汁を啜りながら、夕日に照らされたあの綺麗な瞳を思い出す

口ぶりからしてあの子たち二人で暮らしてるみたいだったし、少し心配だな

もっと早くに出会ってたら定期的に様子を見に行きたかったけれど…それは流石に過干渉かもしれないし、鬼殺隊に入ればそんな時間は無い

「あ…そもそもどこに住んでるか聞いてなかった…」

私の勝手な思いだけど…親を失っても、兄弟がいるならお互いを精一杯大切にしてほしいな

私は一人っ子だったから…



「頑張ってこい。Aなら大丈夫じゃ!」

「行って参ります!必ず戻ってきます!」

そんなこともあって、気がついたら最終選別の日

桑島さんとお揃いの羽織を着て食料と刀を持ち、遂に藤襲山へ来た

私は…鬼に日常の幸せを壊される人を一人でも減らすために、救える人が一人でも増えるために

この選別には絶対に受からないといけない


「「では行ってらっしゃいませ」」

鬼殺隊の関係者だと思われる白髪でおかっぱの女の子二人に言われて、緊張感が一気に増す

今まで厳しい修行をしてきたが、実際に鬼と戦うのは初めてだ

それに、同じく最終選別を受けるのはほぼ年上の男の人で、私みたいな小柄な女の子はいない

「…!」

山に入ってしばらくすると鬼に出くわした

「子供だ!!しかも女だ!」
「久しぶりだなぁ食事は!!」
「美味そうじゃねぇか!これは俺が喰うんだ!」

そして、私を見つけるなり三人同時に向かってきた

大人の男の人くらいの体格だし、一気に頸を斬るなんて私には…


『Aなら大丈夫じゃ!』


いや、できる…私ならできる!


雷の呼吸 弐ノ型 稲魂


「うぐっ…」
「ウアァッ…」

刀に重い感触がした後、鬼の首が転がった

「っ…!」

生き物を斬るという感触を初めて知り、それが鬼とはいえ僅かながら罪悪感が押し寄せる

でも…

私にもできた…もう奪われるだけじゃない

己を超越する脅威にも立ち向かえるようになったんだ

よし…このまま自分を信じて頑張るぞ

壱-5→←壱-3



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (105 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
169人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

みやびりじゅ(プロフ) - 嬉しいです、ありがとうございます!頑張ります! (2022年11月5日 22時) (レス) id: eaba6d63f6 (このIDを非表示/違反報告)
七星 麗華 (ななぼし れいか) - 面白かったです!!更新楽しみに待っています!!! (2022年11月5日 17時) (レス) @page39 id: 50853c9852 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:みやびりじゅ | 作成日時:2022年1月21日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。